ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

書評「シン・ひろゆきの未来予想」

 

 本日は2ちゃんねる創業者の「ひろゆき」こと西村博之氏の著書「シン・ひろゆきの未来予想」を解説していく。

 著者はネットの界隈では結構な有名人であり、別名「論破王」と呼ばれている有名人であり、幾つも本を出しているが、私が読んだのはこれが最初ですので、他の本もそういうスタンスかどうか分かりませんが、読みやすい内容ではあると思います。

 西村氏はネットを見ているとたまに話題に出てくる人であり、私自身あまり興味がなかったので、あまり気にした事は無いのですが、結構歯に衣着せぬ口ぶりで若者よりちょっとおっさん世代に人気がありそうです。

 現代における正義である「効率化」などを説き、比較的飄々とした語り口で昔ながらの価値観を否定していくのは、中々気持ちが良い事であり、今回のテーマである「未来予測」はエコノミストが言う事とあまり大差がないけど、より浅く広く語られていて(ある意味当たり前の事だが)気楽に読めて楽しめるものではないだろうか。

   

 日本の未来は暗い

 ひろゆき氏に限らず、日本の未来は悲観的な事が書かれている事が多い。ひろゆき氏もそのあたりは例に漏れず、人口減少を始めとする原因のため、暗い未来が往来する事を予測している。また、それらを理解して準備を整える事が必要であると説く。

 大多数の経済学者が言うように「人口の減少」は経済効果としては致命的であり、日本は2053年には1億人を切る事が予測されている。

 人口が少なくなれば、当然内部需要が少なくなり、国内経済は縮小してしまう。人口が少なくなれば当然、マーケットが無いため外国商品も最先端のは入ってこなくなる。経済が停滞し、ものがなくなる未来が予測されるという事だ。

 これは経済の点での、幸か不幸かを判断しているので、個人的な生活が不幸になるかは不明ですが、少なくとも経済的には今と同じ生活というのは出来そうにありません。

 

 生産者と観光業

 内部需要として決して無くならないのが、1次産業。具体的には農業あ漁業だ。テクノロジーが発展して、AIに仕事が取って変わられても、人間はアナログであるため、必ず食物は摂らないと生きてはいけない。農業は無くなりようがない産業であると氏は説く、また日本にはまだ外国人が好むコンテンツとして観光があるので、観光業は日本と言うコンテンツが価値がある少ない部門なので、将来的には仕事はあるのではないかと言う。(今はコロナで低迷しているが、いずれは収束する)

 逆に単純作業、例えば「経理」「梱包」「バスやタクシーの運転手」などの職業は機械ないしAIにとって代わられる確率が99%であるという。

 

 都市部に住む事が重要

 経済が停滞してくると、田舎での生活はインフラが未整備となり、かなり住みにくくなる。路線が廃止されたり、病院がなくなったり、いろいろなサービスが受けられなくなる可能性があるからだ。地方都市は今後ますます合併、消滅を繰り返して減っていくと考えられる。

 

 教育こそITを利用する

 日本が一番遅れている分野であり、教育でも自己啓発でもITを使えばかなり分かりやすく、効率も良いのだが、未だ日本は紙の媒体を利用して、記憶力重視の教育を行っている。これでは諸外国と差は開くばかりであり、教育と言うシステムを諸外国と同じかそれ以上の環境を整える必要があると説く。

 確かに文章で説明するより、動画やインタラクティブな媒体の方が、分かりやすい事も多いし、タブレットを支給する事で、その一つだけで教科書は全部入るし、そもそも何等かの理由で学校に通えない子供たちもオンラインで学ぶことが出来ると良い事ずくめである。インターネットに関しては子供が使う事に抵抗がある親もいると思うが、どの道ネットは見る事になるので、最初からどういった危険があるか教育をするべきなのである。

 

 いろいろ面白い考察が書いてあり、私自身「ひろゆき」氏の事はあまり知りませんでしたが、売れている理由が分かる内容でした。