ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

書評「走れば脳は強くなる」

 

 運動と脳の働きはもう、このブログでも何回もしているが、この本「走れば脳は強くなる」もその大まかな内容は一緒だ。

 人は筋肉を動かす事によって血液中の酸素が巡回し、脳と脳を繋ぐシナプスが結合し、論理的な考えや記憶などを強化する。これは今日ではもはや常識であり、真実である。

 したがって、何か思考があるのなら、いつまでも椅子に座ってないで、今すぐ立ち上がり、走り出すべきなのだ。そうすればスッキリとした感情が現れ、やる気なるものが湧いて来るという訳だ。

 

 てなわけで、本書はその中でも「ランニング」にスポットを上げているわけだが、このランニングは嵌っている人も多いだろうが、とにかく始める前が億劫なものの最たるものではないだろうか?

 ちなみに私は昔は走るのが大嫌いであったが、今では「ランニング」と「自転車」は大好きだ。どちらもとてもメンタルに良い感じがするし、実際走り終わった後は何とも言えない充実感がある。

 この充実感は何事にも代えられないものであり、この充実感は仕事で達成した時なども味わえるのだが、それは毎回難しいので、比較的簡単に得られる「ランニング」をお勧めする。

 

 走れば、心が強くなる。

 このブログの影の目的である「メンタルを強くする」というテーマはこの「ランニング」によって大きく進む事となるのだが、そのメカニズムを本書はこう説いている。

 

 もともとストレスは私たちに身に着いた防御反応のひとつであり、もともとは危険を認識するものであった。古代の我々はいつでも命を落とす危険がある状態であった。その命を守るために、外部からの攻撃を察知すると、複数のホルモンが放出され、その中の「コルチゾール」というホルモンは抗炎症作用があり、ケガや打撲に備えて分泌されるという。つまり物理的な攻撃に対して炎症しない様、ホルモンが出るという事だが、今は現代、そんな攻撃をしてくるものはありません。したがって分泌された「コルチゾール」は行き場をなくし、脳に毒となって作用してしまう、これがストレスの正体という訳です。

 ここで「ランニング」の出番である。

 「ランニング」のような有酸素運動は「セロトニン」が分泌され。「セロトニン」は幸せホルモンと呼ばれるもので、安心感が高まり、また体を動かす事で「コルチゾール」の滞留を防いでくれるのです。

 また、うつ病予防薬の薬(抗不安剤)に使用されているガンマアミノ酸の分泌も促されるので、脳内のストレスを断ち切る事が出来るので、これは走るした無いでしょう。

   

 1日30分のランニングでうつ病が治る?

 

 このようなメカニズムのお陰で、うつ病などの心の病気に効果がある「ランニング」だが、本書ではエビデンスとして、アメリカでの実験を例に上げている。

 うつ病の症状を訴える人に1週間に150分のウォーキングのような運動を施した場合、うつ病の症状が和らいだという研究結果です。換算すると、1日30分、週に五日のペースという事になります。

 有酸素運動をすると、「視床下部」と呼ばれる脳部が強くなるので、視床下部はホルモンの分泌をコントロールする部分であり、かつ内臓などの働きをコントロールする役割も担っており、視床下部が鈍くなると、いろいろな心や体のバランスが崩れるので、ここを有酸素運動をする事によって、強くする事が出来る。

 

 実際、強度のうつ病の場合、とても走る事が出来ない人が多いので、そういう人は医者から処方してもらってから、歩く→早く歩く→走る みたいな事が必要かもしれません。私の友人でうつ病を患った人がいるが、そのような人に運動させるのは、中々難しいと感じた。彼らはそれがいくら良い解決法であっても、その事すら考える余裕が無いからだ、だからそうなる前に走りだした方が良いので、ヤバいと思ったら、運動してゆっくり睡眠をとるようにしよう。