ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

書評「炭水化物は冷まして食べなさい」

 

 さて、「冷や飯を食う」という言葉があるように、冷ご飯はあまり人気が無い。炊き立てのご飯の格別さは日本人であれば理解できる事だろう。

 だが、その美味しいご飯が体にはあまり良くなく、人気のない冷ご飯は体に良いと聞いたら、あなたはどう思うだろうか?

 今回は健康ネタである「炭水化物は冷まして食べなさい」を解説する。蛇足だが、この本のように「〇〇しなさい」的な本のタイトルが多いのは何故だろう?。なぜそんなに上目線なのか、勿論そのタイトルにする事でインパクトがあるからだろうが、「炭水化物は冷まして食べてください」じゃいけなかったのだろうか?それではインパクトが無いからか「炭水化物は冷ましてタベナヨー」(フィリピーナ風)でもダメだろうか。

 話が逸脱した。

 

 さて、昨今炭水化物はすっかり悪者となってしまった。炭水化物は太る原因であり、摂らない方が健康に良い。これが定説になって久しいが、それでも炭水化物(主にお米)はまだ食卓の王座を明け渡したわけではない。

 「やっぱり、日本人はお米を食べないと力が出ないよ」

 とドヤるおっさんは多いと思う、そしてそういうおっさんは腹が出て、血糖値の上がりを気にしながら、お米を食べているのだろう。

 その炭水化物代表のお米は、エネルギーの元となる重要な食材である。我々日本人は

アミラーゼ遺伝子を多く持ち、そもそも炭水化物を分解しやすい体であるのだ。

 欧米発の糖質制限のため炭水化物を極端に減らすと、筋肉が減り、骨にも影響が起き、病気になりやすくなり、脂質を多くとる食事に変更すると、内臓に負担がかかり、大腸の病気(いわゆるガン)になりやすくなってしまう。

 つまるところ、極端に炭水化物を制限する事は体に負担をかけるばかりか、へたすると癌のような病気になりやすい事を理解しなければならない。

   

 が、炭水化物はその消化のスピードの速さから、血糖値を上げ、糖尿病などの成人病を発生しやすくなる。「じゃあ、どうすりゃいいんだよ」と声が聞こえそうだが、そうです、ここでようやくこの本のタイトル「炭水化物は冷まして食べなさい」という事なのだ。

 レジスタントスターチ、それは炭水化物に含まれる、消化されにくい食物繊維の事であり、これは小腸で分解されず、大腸、あるいは更に奥の直腸まで、届く食物繊維の事である。

 こいつは万能な奴で、腸に届いたレジスタントスターチは、善玉菌と呼ばれる腸内菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあり、エネルギーにもなる優れものであり、吸収が遅いため、血糖値の急激な上昇も抑えられるという訳である。

 

 それが、なんと!炭水化物を冷ますだけで、レジスタントスターチが増えるというのだから、これからは冷や飯を食べるべきなのである。

 つまり、いままでホクホクなご飯を食べていた人は、1時間ほど冷ましたご飯を食べる事によって、腸内環境や血糖値を抑える事が出来、エネルギーも蓄える事が可能なのである。本によると、冷蔵庫より自然に冷ましたものの方が成分が多いそうだ、夏場などはあまり時間を置くことが出来ないようなら、勿論冷蔵庫で構わないのだが、ラップする場合は少し隙間を開けておくと良いらしい。

 またどうしても冷や飯は嫌だ、という人は暖かいお茶を変えてお茶づけにするか、みそ汁などをかけて食べると良いだろう。

 また、麺類はラーメンならつけ麺、パスタならアルデンテ(硬め)でかつ冷製だとなお良い。

 とにかくおっさんはお米が大好きなので、お米はそのまま、だが冷たいのでを徹底していきましょう。