シンプルさは美しい「365日のシンプルライフ」
今回はミニマリストネタ。
以前からものを少なくする事を座右?の銘にしてきましたが、題材がいかにもなんですが、フランス映画の「365日のシンプルライフ」を取り上げようと思います。
2013年作成のこの映画はミニマリストの視点と、青春ロードムービー的な側面、そして人生の岐路についての話となっている。
内容的には、フランスの青年が、持ち物すべてをロッカーに預け、裸一丁(本当に裸なのだ)で暮らして、ルールを定める。
- ロッカーから出せるのは一日1アイテム
- 365日ものを買わない
それだけである。
主人公の青年は中々のイケメンであるが、どうやらTV制作会社に勤めているらしく、自撮りなどは、自然で編集もなかなか良好だ。
まずは裸でスタートするのだが、ロッカールームにすべてを預けて、新聞紙で股間を隠すシーンからスタートで、これが実はこの映画の一番の見どころである。
最初はやはり着るものを出すわけだが、映画内でも言及されていたが、1週間もすると出したい物がなくなるらしい。
つまり何もない方が快適らしいのだ。
数々あるミニマリスト系の本を読んでみても、やはり何もない方が、
- 掃除がラク
- 好きな事に集中できる
- 心がスッキリする
という事で、我々の物質社会の害が垣間見える瞬間であると言える。
でもって、実はそれで映画はおしまい・・てわけではなく、主人公のライフワークをだらだらと撮影していくのだが、
途中で祖母にアクシデントが起きたり、彼女ができたりと、なかなか青春している様子が伺えて面白い。この辺が賛否両論あると思うが、個人的には主人公が何も隠さずに撮影しているのが、ドキュメンタリーとしては面白いと思ったが、ミニマリストのネタだけでは流石に映画一本はきつかったのだろう。
しかし、考えさせられるのは、仕事で必要以上に人に物を売っていると、非常に罪悪感が湧くという事だ。本当は何も必要がないのに、必要以上に何かを煽り、その人の集中力を奪っている事という事は、果たして正しい事なのだろうか?
町を歩けば、あらゆるところに宣伝が喧しく目に飛び込んできて、これを買うとあなたは変わる、素晴らしい体験が待っている、皆持っている、今すぐ買わないとなくなってしまう、安いのは今だけ・・・・。
色んな謳い文句で、物が宣伝されて、真に受けると家の中は物でいっぱい・・・どれでどれくらいの人が幸せになったのだろう・・・。
物がありすぎる世の中だからこそ、物と付き合い方を考えないと、家が物でいっぱいになってしまう。この映画「365日のシンプルライフ」のように、一度ものに対して、距離をとる事も大事ではないだろうか。