ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

書評「結局、しつこい人がすべてを手に入れる」

 しつこい人。私はしつこい人が苦手だ、しつこい人は自己中心的な人が多く、自分の言い分が一番正しいと思っているフシがある。だから、同じことを何度も言ってくる人を心底敬遠しているのだ。だから、本書「結局、しつこい人がすべてを手に入れる」をタイトルだけで、敬遠していたのは事実だ。

 だが、中々気になるタイトルではある。しつこい事がマイナスのイメージしか持っていない私は、どのような風にしつこい事が有益なのか知りたいので読んでみたのだが、

 

 結果、私の思っている「しつこさ」とは趣が違うものであり、ここでいう「しつこさ」とは、いわゆる継続の事であり、松下幸之助風に言えば、「成功するまで続ければ、失敗しない」という当たり前だが、難しい事を推奨しているという事であった。

 

 ここまでだと、ただの根性論的な話かと思われるが、確かに多少そういった精神面の側面はあるが、それを具体的にどうすれば良いかを書いてある良書であるが、そのような行為を「しつこさ」と呼ぶのはどうかと思う。

   

 「しつこい」はあきらめないと同義語である。

 先ほども記したように、諦めなければ物事はずっと継続しているので、失敗はしないという何だか狐に抓まれたような話だが、本書ではそれをロジカルに説明する。

 そもそも困難すぎる事を継続するのは無理な話であり、本書では、まず、継続する事柄を「楽しくする」「簡単にする」「効果を確認する」という事を記している。

 まず、仕事の何かを継続して成功させたいなら、楽しくする事が重要である。現代では生産性や効率が善とされているので、それらを突き詰めていく事が推奨されているが、その結果、仕事の楽しさなどが失われたという。そもそも仕事の楽しさとは、意義を感じる事であり、現在行っている仕事の意義を再設定してみる事を考えてみよう。

 同じ仕事でも、やらされていると感じる人と、この仕事をやる事で誰かの役に立っていると考えるのでは、やりがいの質が違う。このように、誰かのためになっているから、、みたいに意義の再考をまずしてみよう、それだけでやる気が出てはこないだろうか?

 第二に「簡単にする」その仕事が複雑な工程を挟んでいるなら、それを簡略化出来ないか考えてみる。なんでもそうだが、いちいち何かを出して行うより、すぐ出せるものの方が使うようになるのと一緒で、直ぐ取り掛かれるようにしておくように準備しておく事が重要である。

 また、この時間になったらこうするみたいな、こうなったらこうするというフォーマットを作っておき、そのタイミングが来たらそれを問答無用で行うという事をするのも効果的である。ただし、その時間やタイミングになって、「こうした方が良いかな」的な考慮を挟む事は厳禁で、機械的にそれを行う事が重要である。

 「効果を確認する」は記録を取る事で、自分の行動の効果が目視できる。この効果を確認できる事は継続する上で重要で、ゲームでも自分のステータスを確認して「ここまでプレイしたなあ」なんて感慨深く感じる事もあるくらいなので、それが実人生であればその感慨もひとしおという事である。

 

 これらを数ヶ月続ければ、習慣となり、その結果あなたは「しつこい」人となる事が出来るという訳だ。

 くどいようだが、私は「しつこい」人は嫌いだが、何かを継続している人は心の底から尊敬している。