書評「SINGLE TASK-一点集中術」
さて、この世の中は「マルチタスク」である。手の中にあるスマートフォンと同じように、同時に何か行うという事が、まるで近代的のように持て囃されている。だが、我々の脳はシングルコアであり、マルチコアのように動かすには、高速でそれらを切り替えて、あたかも同時に進行しているように見せているだけだ。
つまり、それはどちらも中途半端になる事を示しており、脳科学的にマルチタスクは向いていないという事らしい。
逆に言えば、シングルタスクにして、本当に大事な事を一点集中すれば、自ずと結果がついて来る、つまりそれが集中しているという事である。
私たちの生活は雑音でいっぱい。
一点集中する事で人は「ゾーン」に入る事が出来る。これは時間を超越して高い生産性を出す事だが、これに入るといつの間にか時間が過ぎていたという経験が誰しもあるだろう。その時は効率が高まり、集中した事による満足感も得る事が出来る。だが、仕事も私生活ももはや集中しにくい環境になりつつある。
まずは環境を整える事を考えよう。
まず、デジタル機器は電源をオフにする。色々な雑音は大体デジタル機器から発せられる。SNSやメール、楽しいアプリなど暇ない通知がデジタル機器から発せられる。
私もお手洗いにもスマホを持ち込んでいたりして、トイレの時間すら集中していないというどうしようもない事をしているが、そういう人は多いと思う。
そんな集中力分散機であるデジタル機器をオフにして、箱に詰めて隣の部屋に置くことなどをすれば、さすがにめんどくさくて、取りにいく事は無いでしょう。
また、漫画とかゲーム機なども箱に入れて目に入らないようにする事が推奨されており、仕事の道具だけ目の前に置くことが望ましいが、それが難しいなら喫茶店などで仕事をすると良いだろう。
仕事もシングルタスクに
会社でも一点集中する事が効率を上げる重要項目だが、会社となると、次から次へと仕事を依頼されて、なかなか集中出来ない。そもそも、会社はマルチタスクを求めている。という人は多いと思うし、そもそもそれだけやればOKという方が珍しいだろう。
だが、それは間違いで、少なくとも同時に進行は止めて、この仕事が終わったら次の仕事、という事を行う必要がある。今やっている事が終るまで、承らない事が重要である。
それも難しい場合は時間で区切ると良い、例えば30分はこれに集中する。といった具合にだ。
あと、適度な休憩を取りながら、一つの事に集中すると良い。こうする事で結果的には早く仕事を終わらせる事が出来る。
蛇足だが、スマートフォンは汎用機であり、時には電話、時にはパソコン、時にはカメラ、時には読書リーダー、時には音楽や動画プレイヤー。
これだけの事が出来て便利だが、例えば私はキンドルで本は読んでいるのだが、やっぱり集中できるのは、スマートフォンよりキンドルの方なのだ、スマートフォンは通知やら、ブラウザでつい調べたくなったりするので、いっそ付いていない単機能機のほうが集中できるのだ。だから集中したい時は、いろいろ出来るものより、それしか出来ないものを選ぶべきなのだ。
という訳で、意思の力というのは、殆どの人は無力であるので、環境を整えて、シングルタスクを行い、自分のやりたい事を成し遂げていくようにしましょう。