ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

「医師が実践する 病気にならない自然暮らし」

 

 皆さんはアレルギーがあるであろうか?現代病と言われるアレルギーも古代から存在したが、(ギリシャ語のアトポスが語源、奇妙なという意味)古代では珍しい病気であったが、現代ではむしろ何らかのアレルギーにかかっていない人の方が珍しいのではないだろうか?

 私も花粉症や、夏になると腕の一部に湿疹が出来るアトピー、敏感肌でもありアレルギーとは長い付き合いである。もっと重度な方もいらっしゃると思うが、これらは現代の暮らしや食生活に大いに関係しているという。

 

 本書で語られている中で、重要と思われる部分「清潔すぎるとアレルギーや病気になりやすい」という事実。これらは現代における、あまりに極端とも言える清潔志向が生み出した弊害であり、また無知と経済活動が起こした悪でもある。

 抗菌グッツ。この抗菌というパワーワードは、一見病原菌を排除する素敵なもののように捉えられているが、そもそも菌は我々と共生している大事なパートナーであり、居なくなっては人間は生きてはいけない存在という事が完全に抜け落ちている。

 この悪しき抗菌グッツは、菌=病気、という図式というものを人々に植え付け、いまやなんでも抗菌作用がある的な売り方で、いろいろなものに施されている。

 抗菌でなくても良いものに、何故抗菌コーテイングがされているのかと言うと、こうしないと売れないからである。

 昔、日立の技術の人と話した事があるが、家電製品になんでもイオンが付いた時代があった。シャープのプラズマクラスターの大ヒットを得て、イオンが出ないものは性能が低いかのように喧伝された。

 このイオンと言うやつは、いうほど効果が無いのだが、イオン非搭載と搭載では明らかに売れ行きに差があり、その日立の技術の人も「意味ないし、コストも上がるけど、搭載しないと売れないので」という理由でイオン発生機を搭載したそうだ。

 つまるところ、何となく健康に良さそう、というイメージで世の中の製品は作られており、抗菌グッツが実は「良質な菌を死滅させるための道具」という事実を隠して、

 

 「奥さん、菌が体内に入ると病気になりますよ」

 「奥さん、大切な我が子が触るものは抗菌しないといけませんよ」

 「ばい菌だらけですよ、世の中は、だから抗菌されているものを買いましょう」

 「さあ、今の時代、消毒は当たり前です。消毒水をつけて、さらに抗菌しましょう」

 てな感じで、強迫観念のように語って来る。

 この過度な抗菌や清潔さが、実は良質な菌を駆逐し、結果アレルギーなどの疾患を呼び込んでいるとしたら、それはこの事実を知らなかったで済むことではないだろう。

 本書は上記の部分が前置きで、じつは食事や環境をどうすればいいか具体的に書かれています。ここではかなり脱線しましたが、なんでもそうですが、やり過ぎは問題という事ですね。