ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

「礼儀正しさこそ、最強の生存戦略である」

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 「礼儀」とは今となっては「古風」であったり、「実力」とは全く関係ないように語られる昨今であるが、「礼儀」とはとても大事なもので、礼儀を欠いた態度がどれ程、世の中を停滞させているか、この本を紐解けば分かるであろう。

 いきなりだが、私も昔は「礼儀」を欠いた言動をした事があった。人を馬鹿にする事で自分を慰めていたのかも知れない。確かに世の中にはどうしようもなく、どうしようもない人が居るものだが、だからと言ってその人を馬鹿にする事が許される訳ではないのだ。

 「礼儀」を欠いた態度が、どれほど害があるのかを漠然として分からなかったが、著者が研究する事によってエビデンスが確認でき、やはり「礼儀」を欠いた言動には問題があるという事が立証されたのだ。

 

 著者のクリスティーン氏が語る冒頭の家族の事は、この日本、いやあなたの家族に簡単に起きそうな事であり、その悲劇を繰り返さないためにも、「礼儀」というものを考える必要がある。

 

 クリスティーン先生のお父上は、度重なる上司の「暴言」「理不尽」などによって、倒れ、心臓発作でいつ亡くなってもおかしく無い状態になってしまったという。

 こういった事例は言うに事欠かない。理不尽な罵倒、悪意がある言動や行動、これら無礼な態度は時として人の命すら奪ってしまう。

 前述のお父上は、そんな会社での出来事を全く家庭には持ち込まず、家族を守るためにこの最悪な環境に10年以上晒されたとの事である。

 こう言った輩はそのターゲットが「辞める事」が出来ない事を知った上で、そういった態度を取るのである。例えば繋がれた犬よろしく、遠くから石を投げるみたいに。

 度を越した無礼には逃げる事が一番だか、筆者の父上のように家族を養うためにやむを得ない人はいくらでもいるし、そういった輩はそういう事だけ、やたら頭が回るので、非常に厄介である。

 

 このように「無礼」が人を殺す事すらあるのだ。あなたが、もし無礼な態度を繰り返しているなら、人殺しになる前に「礼儀」を学ぶべきだ。

 だが、無礼な態度のものが、このような本を読むとは思えず、やはり「無礼」な態度を受けているものが、対処としてこの本を開くほうが多いのであろう。

 

 また「無礼」な態度はビジネスの現場の生産性を著しく毀損する事が分かっている。

 当たり前だ、いきなり朝の朝礼などで、人を罵倒したり、皆の前で欠点を指摘するような会社で誰が頑張ろうと思うだろうか。罵倒された人たちは「手を抜いてやれ」と思うのは至極当たり前なのだ。

 

 私事だが、会社の上司がいつも機嫌が悪く、ずっと怒鳴り散らしているという事が続いていた。当然だが社員は萎縮し、集中力は失われ、皆怒られない事ばかり考えるようになってしまった。こんな場所で働くのは間違っている、と強く思ったものだ。

 

 このように「無礼」を続けた場合、大抵は逆効果になる。そして、一時的にその強引な手法などで(そういった輩は声がデカくて、出来る人のように錯覚しやすい)昇進する場合があるが、長期的に見ればそれはマイナスに転じる事の方が多いという事である。考えてみれば分かる事だが、そんな人の周りには誰も集まってはこないであろうし、困った時に善意を向けてくれる人もいないだろう。私の知っている嫌な性格の人は入院しても誰も見舞いには来なかったそうである。(家族さえも)

 

 逆を言えば「礼儀」をもって人と接すれば。前述した事の逆の事が起こるのである。

 人から声を掛けられやすくなり

 いざと言った時に助けてもらえる。

 この「リーダー」のいう事なら信じて頑張ってみようと思ってくれる。(これは非常に大事で、最後は報酬より人間性を選ぶと言う人のほうが、多いだろうし、そういってついてきてくれた人はより信頼度が高い)

 

 そして、「礼儀」は伝染するので、あなたが「礼儀」を正しくすればきっと世の中はもっと良くなる。さあ、みんなで「礼儀」を重んじよう。