現代のインディ・ジョーンズはハイテクなんです。猿神のロスト・シティ
♪ チャチャチャラーン、チャーラー ♪
古代、冒険と聞くとすかさずインディ・ジョーンズのテーマが流れてしまうのは、もう結構なおっさんだと思うが、古代に栄えた文明がある、みたいな話があれば心が踊ってしまうのは、もうしょうがないと思う。
で、今回は「猿神のロストシティ」を取り上げる。
これは南米ホンジェラスの密林にある、謎の古代遺跡を探索者したクルーの記録なのだが、まず以前は南米には古い遺跡は無いというのが定説だったのだが、ここ数年でいろいろ発見があり、南米大陸にも相当古い文明があった事が分かってきている。
今回の猿神のロストシティはホンジェラスに伝わる「伝説の白い都市」にスポットをあてて、そこを探索する話なのだが、これがインディ・ジョーンズなら、禍々しい神を崇めている部族あたりが出てきたり、遺跡を狙う組織あたりが登場するのだが、そういったたぐいは出てこず、敵は政治、犯罪、虫ときたもんだから、あるいみリアルな発掘のレポートといえる。
南米は普通に旅行するにも注意が必要なんじゃないかと思うくらい、ヤバイ地域のような気がするが、そもそも発掘するのにその時の政権がかなり左右されるらしい。著者がそにあたり非常に気をもんでいる事が、この本には描かれているが、発掘するににも麻薬がらみのカルテルから身を守る、必要があり、それは軍隊であったり、その辺の事情がこのロストシティを現代まで未開拓にさせていたらしい。
現代のインディ・ジョーンズは、空からヘリコプターでスキャンしながらそれらしき物体をさがす行があるのだけれども、密林に導かれる主人公ていうのもドラマティックだが、実際は当たりをつけないとほぼ、前人未踏の密林は進むことすら困難という事がこの本には連連と書いてある。
そして極めつけは、虫だ。この血を吸う蝿は恐ろしい熱帯病を感染させる媒体である。この探検を一番恐ろしいものにしているのは、間違いなくこの蝿を介して患うリーシュマニア症であろう。この病気の感染はこの物語のもっとも大きなトピックとも言える。
で、そんな恐ろしい「白い都市」の秘密はなんとこの本では明らかにされない。
つまり未だ調査段階ということなのだろう。
続編が出るとしたら、この都市のもう少しディテールが知りたいのである。
猿の神を崇めていた謎の民族とその白い都市。
十分インディ・ジョーンズしているよね。
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