ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

まるで広告のような大袈裟さ、バンゲリングベイ。

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はるか昔(20年強)ハドソン(現コナミ)から衝撃のキャッチコピーのファミコンソフトが発売されるという。

その名は「バンゲリングベイ」

名前もさることならが、そのキャッチコピーがすごかった。

100画面の雄大さ。

16方向のスクロール

マイクにハドソンと叫ぶと何かが起こる。

という具合だ。

このエントリーを見た諸兄は、ああ、あれか的な反応をお持ちでは無いだろうか、いやその通りなんだけどね。コピーは。

ゲーム自体は、ヘリコプターを操り、敵の(バンゲリング帝国という)要塞(工場かも)を爆撃していぅというゲームである。

当時世間を流行らせていた「ゼビウス」(ナムコ)が強制スクロールであったので、このようなシューテイングで、自由に動けたらどんなに面白いであろう・・。

そう考えた当時のファミコン少年は、このバンゲリングベイを見た途端、

「これだよ、これを待っていたんだよ」

と膝を叩いたのは想像に難しくなく、実際私もそうであった。

だが、

実際は、ファミコンの性能で我々の想像するシステムは具現化は不可能であり、その売りどころのポイントが、逆にツッコミポイントとなってしまう始末えあった。

まず、100画面の広大さ、というコピーだが、

ほとんど海・・・。画面は変わらず、、、。

16方向スクロールは、独特の操作法で進行方向が上になる(表現しづらい・・)操作法で、やりにくい。

マイク機能も2プレイ時で、叫ぶと敵の部隊が応援に駆けつけるという仕様のため、結局1P側、2P側共に「?」状態になってしまうので、あまり売りの機能とはいえない。

 

当時の情報量では(雑誌くらいしか情報源がなかった)パッケージやスクショ、そしてTVのCMは絶大な力を発していた。

最近のようにレビューが蔓延している状態では、ハズレを引くことはあまりないかも知れないが、当時はプレイして見るまで面白いかどうか不明というのがなんとも博打な状態であった。

 

恐らく、商品を売り出す際、広告代理店がキャッチコピーを考えるのに、「100画面の雄大さ」(この表現は東京ドーム何個分と言う比較と類似している)「16スクロールの自由さ」などと大げさに喧伝してしまうのは致し方ないかもしれない。

そもそも、製作会社にとって「面白いか」どうかより「売れるか」「売れないか」が大事で、その結果、宣伝が派手になってしまうのであろう。

 

さて、酷評のように続いたが、じっくりやってみると、それほど酷い出来では無いことに気づく。当時のシューテイングに割りとリアルな設定を与え、慣性を加味した操作性は(ラジコンと揶揄されつつも)中々興味深い、ほとんど海の画面も「湾岸地帯」という設定(敵の工場を爆撃するという事で)ではある意味リアルとも言える。

だだ、4900円(当時)は結構高かったと思う、当時のカセットが3800が相場であったので、邪智すると1000円は広告代理店の取り分ではなかったのかと疑りたくなる。

当時の少ないラインナップではこのバンゲリングベイは結構売れたと思う、だが当然4900円は当時の少年の換算額では10倍に相当する、まさに血の4900のはずで、それがこのバンゲリングベイであったなら、相当のダメージを受けるであろう。(実際うけた)

この頃の洋ゲ―(バンゲリングベイはロードランナーで有名なブローダーバンド社が元々作成したもの)は、ハードがまるで追いついていない雰囲気ゲーが多く、時代が早すぎただけだとも言える。(ハードが進化した現代では、洋ゲ―の方が面白いタイトルがあるのはそれ所以なのかもしれない)

 

結論を述べる。広告代理店に限らず、何でも誇大すぎる表現には、本当は違う意味が隠されているという事を注意するべきであり、大体はそのウリ文句とは真逆を指している事が多いという事だ。コレは、声が大きい人が、本心を隠すためにわざと喧しい言動を言うことに似ている。

だから大声で「ハドソーン!!」などと叫ぶなど以ての外という事だ。