ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

夢は見るためにある?ズートピア。

 

 

前例が無いという事で、それ自体が不可能かのように思えるのは自然の成り行きである。

そしてホメオスタシス*1が、それを当たり前にして毎日を過ごしている。

 

つまり、我々は勝手に自分らしさに囚われてしまっていて、その可能性を失ってしまっている。

野球選手のイチローが小学生の時点で、「自分がプロ野球選手」になる事を信じてやまなかったように、まっすぐ自分を信じることが出来ないのである。

 

ある意味、それは普通の人間とも言えるが、残念な事に世の中にはそういった思い込みをさせようとする力が働いているようだ。

 

統計によると、両親が貧しい場合、その子供も貧しい傾向が多いというが、それは単純に教育レベルが低いとも言えるが、実はその両親が発する「負」の言葉が影響してい可能性がある。

繰り返されるその「負」は「自分たちと同じであるべき」という暗示によってその両親とにたような槌を踏むように仕向けられる。

「両親」がそうなら、わたしもそうなのだろう、という暗示だ。

だが、前述のイチローのように、真っ直ぐなそれこそ病的な信じる心があれば、それは克服できるはずなのである。

数ある啓発本が言うように「信じる心」は何よりも強いのであろう。だが、人間はブレてしまうし、その目的すら見つからないまま人生を終える人も多いのであろう。

それはとても悲しい事だ。

 

で、ここまでが前置きだ。

本当はSFの傑作「ダカタ」*2を紹介しようと思ったのだが、ここは同じような?ストーリーであるディズニーのアニメ「ズートピア」を紹介する。

 

「ズートピア」は擬人化された動物がすむ街の名前であり、そこには肉食動物と草食動物が住んでた。それぞれの動物には「適正」があり、その適正を外れる事はおおよそ無く、ウサギはウサギらしく、ライオンはライオンらしくという具合に定められている。

主人公のウサギの女性である「ジュディ」はウサギは農家になるのが普通なのに、警察官になることを夢見て、ついにその夢を果たす。だが、現実は大した仕事を与えられず、駐車違反取締などの不本意な仕事ばかりであった。

 

ネタバレになるので、これ以上の言及は避けるが、この映画「子供向け」と思ったら意外と「大人向け」の内容である。

仕事における葛藤や、こうあるべきという社会の発想。

そして、種族差別問題。相棒のニックはキツネというだけで、社会から爪弾きものとされ、仕方なくチンピラに身を落とすところとかは、擬人化した動物だからソフトに描かれているが、人間が演じたらかなりシリアスだ。

また、麻薬がらみの展開や、どんでん返しもあり、中々エンターテイメント色が強いが根幹とする部分はとても深く、傑作ではないだろうか。

 

冒頭にも書いたが、ウサギのジュディも自分がなれると信じたからこそ、夢はかなったわけであるから、やはり誰でも「夢」を失ってはいけないと、「真っ直ぐな気持ち」を持ち続ける事が大事だとおもいますね。

 

 

*1:生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。

*2:1998年公開のSF映画、DNA操作されたエリートばかりの世界で、不適応者である主人公が、適応者にしかなれない宇宙飛行士になる物語