ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

欲望の果ての末にあるものは何?

ものを選ぶ時の幸福感は家に帰ると途端に忘れてしまう。

やっと手に入れた物も、家に帰って見てみると、案外好きじゃなかった。何てこと君にもあるのではないだろうか?

人間だって、あんなに仲が良かった夫婦が仲違いして別れてしまったり、友人と呼べた人物と喧嘩別れしてしまった、なんて事珍しい事じゃない。

結局、自分自身以外のものに何かを求めても、それが思い通りにならない以上、必ず終りが来る。勿論、人と暮らしたりするのは、ちょうどいいところで折り合いをつける事なので、その距離感を探ることがうまくいかない場合は、悲劇的な結末を迎える事が多いのであろう。

ましてや、物品などの物質的なものにそういった拠り所を求める場合は、果てしない欲求に苦しみ、やがてグロテスクな結末を迎える。

 

依存症の多くは、その人だけの問題ですまないところが厄介である。多くの依存症はそれを成し遂げるためには、湯水のようにカネを使い、その自分の未来まで売り渡してしまう事も多い、そういった場合に近親者はその者を経済的に支援する事が多く、それによって簡単に家庭は崩壊してしまう。

 

つまり、自分自身が自分を評価し、自分というのを愛する事によって初めて全ての欲求が叶うといえるのだ。

「神は死んだ」とニーチェはいったが、神の正体がわかってその力を失っていくなか、我々は「物欲は死んだ」と言わなければならないだろう。