ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

迷宮にはマニアが住んでいる。キングスフィールド2

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画面はあまりテクスチャーも貼られていないようなグラフィックだが、孤独感が半端ない作品です。パーティ制もなく、主人公はひたすら一人で戦う。

 

ギリシャのクレタ島には、有名すぎる伝説がある。ミノタウロスの迷宮だ、実際にその遺跡が発掘されたわけではないが、何らかの比喩としてその伝説が伝えられている可能性は大いにあると思う。クレタ島のミノス王はポセイドンとの約束を掛け違え、彼の怒りをかってしまう。結果、后であるパーシパエーは牡牛に劣情を抱くようになり、結果、半身半獣の怪物ミノタウロスが生み出される。

ミノタウロスは大変凶暴で、手に負えなくなったミノス王はダイダロスに命じ、迷宮を造らせる。ミノタウロスはその迷宮に封印され、その生け贄が毎年7人届けられた。

しかし、英雄テーセウスが迷宮の入り口から糸を針、ミノタウロスを見事倒して、その糸を頼りに脱出するー。

 

因みにこのダイダロスの迷宮と思しき地下迷宮が、クレタ島の都市イルカリオンの近くに出土している(現在は立ち入り禁止)

このストーリーに見て取れるように、伝説+迷宮+怪物という(そして英雄だ)シチュエーションは我々を大いに沸かせる事ができる。

そして、ゲームの中では似たようなモチーフが多く作られていたのだが、一番この迷宮というテーマを再現したのはフロムソフトウェアの「キングスフィールド2」だと思う。

実は、このキングスフィールドは全てプレイしているが、このシリーズ2が一番面白いと思う。それは迷宮を探検している感覚、臨場感が素晴らしく感じ取れるからだ。

ゲーム自体は一人称のRPGであるが、迷宮の孤独さ、残虐さ、無情さが美味く表現出来ていると思う。

また、美味く計算された舞台の「島」は所々で人工物で建設されたものがあり、それがまた何とも言えない不可解さで、ラビリンスマニアの心を擽るのである。

 

今でこそ、オープンフィールドのRPGは珍しくも何とも無いが、このいかにも箱庭な感じが好きなんですよ、私は。