ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

おっさんとタンクトップ、ストリートファイター2

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ゲームセンターでヒットした対戦格闘ゲーム。今でも続く人気シリーズで、ゲームをクリアより、対戦をメインに持ってきた革命的な作品。

ストリートファイター2、略してスト2はカプコンから発売された格闘ゲームであり、その後に続く格闘ゲームブームの火付け役となった作品だ。

と、今更説明しなくても大体の方は分っていると思うが、このゲームある程度極まると、キャラクターは何故かザンギエフ一遍となってしまうのである。

 

それは、この赤いパンツ一丁のおっさんは、普段は弱いくせにスクリュードライバーと言う必殺技が決まると、一気に形勢逆転できる気持ちの良いキャラだったからだ。

この博打のような必殺技が出来るのは(この当時では)ザンギエフしかおらず、且つそのスクリュードライバーは操作が難しく、中々決まらない事が逆に熟練のゲーマーたちに受けたと思われる。

 

とにかく、どいつもこいつもザンギエフだったのである。

ところで、このザンギエフは、もう見た目で主人公にはならない観が溢れ出ていたのだが、現実社会では唯一いそうなキャラでもあるのである。

実際、私の過去勤めていた会社にザンギエフと呼ばれる男がおり、そいつはザンギエフと呼ばれるには、あまりに貧弱であったが不思議とよく似ていた。

そのザンギエフを見るたび(彼は三浦さんという名前であったが、本人は知らぬところでザンギエフと呼ばれていた)三浦さんをザンギエフに見立てるものは何んなのだろうとよく考えてみたら、所謂彼は、

髭が濃い。

髪型が角刈り。

中年太り。

夏になると何故かタンクトップになる。

この要素が、彼をザンギエフと為ているという事がわかった。

もちろん彼はストリートファイトもしないし、ましてはスクリュードライバーなどはかけて来ない。それどころか、チビで太っていて腰痛に悩まされているただのおっさんだ。だが、彼はザンギエフになってしまったのである。

ふと思ったら、このスペックは結構彼方此方におり、ひょっとしたらザンギエフとはスト2を作ったスタッフの近所の人がモデルではないのか、などと訝ったりしてしまう。

しかし、スト2に出てくる奇人変人の中では、人気が無いが一番身近に感じられるのは間違いないだろう。

 

そんなザンギエフ三浦もその後に嫁に逃げられ、茫然自失のまま行方不明となってしまったが、スト2を見ると今でも思い出すのである。