ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

マイティ・ボンジャック その1

1986年と言えば、ダイアナ妃とチャールズ皇太子が来日した年である。ダイアナ妃は後に悲劇的な(そして劇場的な)最後を遂げるのだが、その時はダイアナフィーバーとして世間を賑わしていた年であった。

その年にマイティボンジャックは発売された。ゲームセンターで硬派なイメージで浸透していたテーカン(現コーエーテクモ)からの発売であった。

そもそも一介のゲーム少年であった我々は(その頃の男子たるもの、多かれ少なかれゲーム少年であったため、あくまで複数形で表記する)テーカンファミコンに参入することを心待ちにしていたのである。

前年に発売された同社の看板タイトル「スターフォース」はハドソンから発売され、一大ブームを巻き起こしたが、そのアーケード版との差が(特にグラフィック)ゲーム少年の間で話題となったが、本家が作っていたら、もっと面白かったのだろうな、と思っていた方は多いと思う。(実際はファミコンとアーケードの機能の差を思えば、あの移植は成功であったのであろう)

そんなテーカンからの満を得ての発売であったので、マイティボンジャックを手に入れるには十分すぎる動機であった。が、

そのゲームバランスは、果たして適切であったのか、甚だ疑問が残る内容であった。

まず、主人公であるジャックはどう見ても藤子不二雄先生のパーマンにしか、見えないし、何故爆弾を処理していくのか良くわからない。

どうやら、もともとアーケード版の爆弾を取るアクションゲームを後付け設定で、ストーリーを付けたのでこのような形になったのであろう。

ちなみに、ストーリーを当時全く理解していなかったのだが、今改めて見てみると、やはり良く分からない。

 

かつて地球には「パメラ王」と呼ばれる世界を平和に収めている王様がいた。しかし、地上世界に破滅をもたらそうとする魔王ベルゼブルに王族達はさらわれ、魔の巨大ピラミッドの中に閉じ込められる。王族を救うためマイティ一族が立ち上がるが、一族は次々とベルゼブルに敗れ、残すは気弱な末弟であるジャックを残すだけとなる。ジャックは王族達を救い世界に平和を取り戻すことができるのか。

 

全然爆弾の事に言及が無いし、ピラミッドなのにベルゼブルってキリスト教の世界観だし、マイティー一族て王族を守る一族みたいな者なのであろうか?ジャックが空を飛べるのは何か理由があるのであろうか。

 

それでも、子供の頃はピラミッドと聞いただけで、吉村作治の顔が浮かんでしまうくらいミステリアスな雰囲気を醸しだしていた。実際なんてことはないステージの作りでも、隠し要素が多いため、ピラミッドというオカルトの王様のような秘匿感が重なりあってあたかも神秘な風に感じたのであろう。

 

敵キャラも、ミイラは良しとしても、ガメラみたなキャラや(ガメゾーという)ゲジゲジのキャラ(ゲジ将軍という)とか良く分からないものまでいる。後半は結構動きが早くてかなり難易度が高い。

特に何もない場所で何度もジャンプして手に入れるスフィンクス(これが無いと真のエンディングに辿りつけない)や、隠し部屋等のギミックが豊富に用意されているのだが、いかんせんノーヒントなので、総当りで挑まないとまったく先に進まないのも困った要素である。(ちなみに、このノーヒントはその後に続くテクモのソフト、ソロモンの鍵やスーパースターフォースなどにも同じようなギミックが仕掛けられており、時のファミコン少年たちを無駄に悩ませたものだ)

 

その2に続く。

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意味深なタイトル画面。スタートボタンを押すと画面左上のジャックがピラミッドへ飛び込むアニメーションが映し出される。