ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう
エリック・ベルトランド・ラーセン著の「ダントツになりたいのなら、たったひとつの確実な技術を教えよう」を今回は取り上げる。
ひさびさの啓発本のレビューであるが、精神論がほとんどの場合が多いこの手のジャンルにて、具体的な方法が書かれているのは特記すべきであろう。
そして、その方法は呆れるくらい簡単な方法であり、だれもが分かっている事であった。
ダントツになりたければ、単純にその事に対して時間を掛ければいい。
それだけの事であると本著は言う。
「そんなの誰でも知っているよ」
そう思ったあなたは正しい。その通りであり、そんな事は昔から言われていたのである。
だが、殆どの人は分かっていても中々実行できないのであり、それが一番難しいとも言える。
技術の取得に1万時間で一流になれるという法則が有名であるが、これは一日9時間それを行っても3年はかかる計算になる。
この法則は今や時代遅れと言われ、そんなものは必要ないという意見が多いと思うが、何事にもある程度の時間は必要であるのは間違いないだろう。
私のような一介のサラリーマンがそのような事を言うと、
「これだからおっさんは老害だ」
「長時間労働を正当化する諸悪だ」
「うんこやろう!」
的な批判を受ける事になる。
もちろん、適正や本気度によってそれが正しい道なのか見極める必要があるが、(仕事のミスマッチングによる悲劇が多いので、それがやりたいのかはかなり重要)
目標があるなら、それは適しているとおもわれますので、時間を費やす事は間違いでないと思います。
著者のラーセン氏は言わずと知れた「エリート」ですが、軍隊での厳しい試練を得て、コンサルタントとして活躍しているノルウェーでは有名人らしいですが、ここまでの内容だとよくある話なのではないでしょうか。
報酬は自分自身の体から出ている。
人はすぐに楽な選択をして、その安全な状態をコンフォートゾーンと言う。このコンフォートゾーンは啓発書によく出てくる単語であり、そこから抜け出せ!的な発言は啓発本ではお約束ある。
本書もその安全地帯から踏み出て、自分を(多少)窮地に貶める事で人間が(知力、あるいは体力)成長する事を説いているが、コンフォートゾーンを抜け出したあと、困難な問題に当たり、それを解決したときに感じる報酬を思い出す事を推奨している。
人によって目的は様々だが、結局人間は物理的な生物としての体の報酬を求めている。何か達成したとき、沸き上がる達成感は何事にも代えられないものがある、と感じる人は多いだろう。それは一見「高級車を乗り回して、綺麗な女の人を侍らせて、高級マンションに住む」といった世俗的なものから、「貧困者を助けるために、第三世界へ旅立って無償の奉仕をして人々の役に立つ」も実は同じことで、どちらも「達成感」「充実感」を感じて行っているのだ。
蛇足だが、もっとも簡単に体を弄る事で快楽を得る事が出来るのは「薬物」である。これは人間が生物である以上、機関のその部分を刺激すると、そういった快楽成分(エンドルフィンなど)が出るからだ。これれの薬は簡単に多福感を得られるが、それが切れた後、その薬の効果でそれを得ただけという現実に罪悪感が残り、結局続けて服用するしかなくなるのだ。
ラーセンは
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成功した事を事細かに思い出せ
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少しできないと思うくらいの目標をたてる
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目標をすぐ思い出すようにする
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ひたすらトレーニングする
これだけの事をすれば、だれでもダントツになる事が出来るという。
もちろんこれは大変な事であるが、これらを行うには「旧世代」的なものが必要になってくると思われる。
これはみんなが大嫌いな「根性」というやつだ。(私も嫌いだ)
理由や道標も示さず「根性」だけで押し切る上司を私はしっているが、そんな人は発揮言って無能だと思うが、一理心理もあると言える。
つまるところ
目標や、やり方は自分で考えるしかない。
ひたすら、その方法を繰り返すしかない。
そうすればダントツとなり、結果すべてを成功させる事が出来る。
だが、それには気合だけでは不可能であり、心と体はつながっているため、
まず、体に良い事をする。
ポジティブな事をイメージする。
少しづつ出来ていく自分を楽しむ。
中でも、体を壊してしまうと何もかもおしまいなので(そもそもポジティブに考えが行かない)体を整えるのは非常に大事である。
エリック・ベルトランド・ラーセン
ノルウェーのメンタルコーチ。元軍人、交通事故をきっかけにメンタルコーチへ転身。数々のスポーツ選手や企業のコンサルをしている。
本書はノルウェーで2年間ベストセラーになり、人口500万人の国で16万部というセールスを上げる。