ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

体は自然に適応する。サバイバルボディー

私たちは快適を求めてきた。夏は涼しく、冬は暖かい。自然の過酷な環境を不自然に捻じ曲げて、体を甘やしてきた。

その結果、我々の体は以前より軟弱になり、もはや囚人の如く建物の中でしか生きる事が出来なくなっている。

それと伴い、病気になり易く、疲れやすい。何かしらの不調を抱えているのは、現代人なら誰でも心辺りがあるだろう。

 

 

 


アイスマンを知っているか?


 

アイスマンとは、決してアイスの愛好家ではない。ましては、浅倉大介の音楽ユニットでもない。*1

アイスマンとは、オランダの超人の俗称であり、その名をヴィム・ホフと言い、氷の中で低体温症にならずに何分もつかる事が出来たり、パンツいっちょでキリマンジャロを登攀してしまうおっさんの事だ。

日本ではR-1というヨーグルトの宣伝に出ていたことがあるが、日本では知名度がいまいちなため、ただのオッサンが雪に飛び込んでいるにしか見えないが、これで中々すごいからだの持ち主らしい。

 

R-1の宣伝では、このアイスマンのようにR-1を飲めば風邪などをひかない体になる事をを謳っていたが、普通にR-1は美味しいので、お勧めである。ちなみに飲んでいても風邪はひく。

 

で、このサバイバルボディーは、著者のカーニースコット(ジャーナリスト)が訝りながら、ヴィム・ホフのメソッドを行い、数々のサバイバルを行って、この効果を綴る内容なのだが、この本を読む前にヴィム・ホフに焦点を与えた書籍、その名もズバリ「ICEMAN」があるので、それを読んだあと読むと、アイスマンてスゲーってなり、この本著もすんなり受け入れる事が出来るであろう。

 

で、このアイスマンは中々変人ぽく、ノルウェーの山の中でセミナーなんかを行って生計を立てているらしいが、なんせそのセミナーは、氷点下の中パンツいっちょで歩き回ったり、呼吸を何分も止めてみたりする変態セミナーであり、その効果と言うのを疑わしく思って当然なわけだ。

そして、ヴィムのメソッドを受講した人の中には、不治の病を患っているものもおり、このメソッドのお陰で生きながらえているものもいるという。

現代は西洋医学が基準と考えられているため、当然ヴィムのメソッドは胡散臭いものであり、ジャーナリストである著者が、その真相を確かめると意気込むのは当然と言えよう。

 

 


アイスマンのメソッドは本物!


 

アイスマンことヴィム・ホフのメソッドの一つに「冷水」を浴びるというのがある。これは、冷水を浴びる事によって、褐色細胞と呼ばれる細胞が活性化し、いわば体の暖房のスイッチが入るという事らしい。

実は私も習慣として「冷水」を浴びるようにしているのだが、これが最高に気持ちいい。朝浴びれば、交感神経と副交感神経が旨く入れ替わり、体が目覚め、同時にポカポカ体が温まってくる。

冬場はかなり勇気がいるが、行えば静謐な気持ちになり、活力が湧いて来るのでお勧めだ。ただし、浴びるのは1分くらいにしておかないと、低体温省になるので注意!。

 

タイトル通りサバイバルボディとは、我々の体は原始時代から進化しておらず、もともと暑かったり寒かったりしても、体自体がそれを調節する機能があるのだが、現代社会で快適さを求めるあまり、その調節機能が麻痺してしまったのだ。そして、原始な体を取り返すことで、寒さや痛み、あるいは病気に打ち勝つ事が出来るというわけだ。

 

あと、アイスマンのメソッドで大事なものは「呼吸」である。呼吸の大事さは数々の文献でも書かれているが、アイスマンの場合、極限まで酸素供給を止める事によって、全身に酸素を循環させる事が出来、その時体は限界すら突破する事が出来るという。

 


すべての過酷は快感である


 著者はアイスマンと共にメソッドの体験を記述したり、過酷なレース「タフレース」*2に出場した模様や、裸でキリマンジャロを登場した事なども盛りだくさんだ。

読み物としても、面白く、冷水や過酷なレースなどに出場したくなるに違いない。

そして「冷水」を浴び、心を整え、心と体はつながっており、自然に帰化したがっているという事を思いだして欲しい。

とりあえず、冷水を浴びると風邪を引かなくなるぞ!

 

 

 

 

*1:キーボーディスト浅倉大介、ギタリスト伊藤賢一、ボーカリスト黒田倫弘による日本の音楽ユニット

*2:障害物やトライアスロンなど複合された過酷な競争