ジャンクな脳と記憶

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野生の遠吠えは原始の音色  柴田哲孝「WOLF」

日本オオカミが絶滅して100年強、動物園で見たオオカミはデカいシベリアンハスキーのような風貌であったが、その顔つきは明らかに人間に媚びない荘厳さを兼ね合わせていた。

つまるところ、完全に自然の体をしており、その迫力は飼育されていても変わらないものであった。

 

で、今回は柴田哲孝の「WOLF」であるが、著者の「TENGU」等を読んだ方は、ノンフィクションに近い語り口で、引き込まれるストーリーである事をこの「WOLF」は健在であり、自然ファンタジーが好きな方は溜まらなく面白いはずである。

 

山登り、キャンプ、自然動物、もっと言えば、ディスカバリーチャンネルやナショジオなどが好きな方にもお勧めできます。

 

ノンフィクション作家・有賀雄二郎のもとに、林野庁の埼玉環境保全担当から突如連絡が入った。奥秩父の両神山の麓に“山犬”らしき大型動物の群れが徘徊しているという。息子の雄輝と共に現地に向かった有賀は調査を開始。カナダの大学で森林科学を学ぶ雄輝は、被害の様子をみてニホンオオカミではないかと仮説を立てる。次々に人を襲い始めた“山犬”に危機感を抱く2人は捕獲作戦に協力、正体に肉薄するが…。

あらすじより

 

埼玉県の山林に現れた謎の「山犬」、それの正体と有賀親子との闘いが見ものであり、その正体がわかる瞬間はミステリー小説のようで、最高に盛り上がります。

また、自然破壊や動物愛護の問題提起であり、「オオカミ」を巡る騒動を通して、自然の不可思議さを垣間見える展開で、最後の「山犬」の運命も意外な結末を迎えます。

 

途中の著者のうんちくや、ややハードボイルド的な有賀雄二郎のセリフなど非常に入り込みやすい展開です。

どちらかと言うと「TENGU」の方が完成度が高いと思われますが、この「WOLF」は私が山登りに興味があるので、非常に面白く読むことができた。

 

ぜひ「TENGU」「WOLF」読んでみてください。そして、「KAPPA」などをキンドルで発売して欲しいなあ