ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

所有する事で弱くなってしまう「持たない幸福論」

あなたは何のために生きていますか?この世で一番必要なものは何ですか?

 

この質問の答えは人によって違うと思われるが、何人かは「お金」と答えるであろう。だが、お金自体に価値はなく、お金は何かと交換できるからもてはやされているに過ぎない。

で、物と交換できるお金はあっても、あなたは何と交換するのか?

 

最新のガジェットを購入する?

カッコいい車に乗って自慢する?

仕立ての良いスーツを着たりする?

腕にはブランドの時計をしたりしてね。

 

だけど、その分だけあなたは働かないといけない。そのカッコいい服のために何時間も働かなければいけないのだ。

 

その手に入れる労働時間を、簡素な服を着て、友達と会話を楽しんではどうだろうか?友人なら、あなたが何を着ていようが、関係なく受け入れてくれるだろう。

 

あるいは、ワークショップで手作り味噌を作ったり、部屋を片付けたりしたらどうだどう?きっと何も買わなくても、あなたは幸せな気分になるのではないだろうか。

 

今回取り上げる本はpha(ファさん)の著書「持たない幸福論」を取り上げる。これは著者であるphaさんの持論と日常を著したものだ。

 

彼は、なるべく労働をしない事を目標に、物を所有せず、家族も持たず、少し緩い感覚での友人(いわゆるネットつながり)で暮らしていく事を推奨している。

 

たしかに、何も持っていないという事はすべてを持っているという事と同義語なので、何も所有しないことは、労働から解放される事と同じなのだ。

 

つまり、あくせく働いて、物を所有したり、家族を持って、その家族のために労働する事が、今となっては旧世代風であり、今の時代かなりの贅沢品となってしまい、一部の人間以外には荷が重いという事で、長時間労働を課せられた現代人がちっとも幸せでない事を鑑みると、何もなくても、睡眠が取れて、食うに困らなければ、その方が幸せであると言える事を本書は示してくれる。

 

つまり世の中の洗脳とも言える「常識」の呪縛は、本当は簡単に取れて、消費に取りつかれて。本来の幸福を履き違えた現代人に、こういう生き方もあると教えてくれる本ではなかろうか。

 

全てがすべてまねできる内容ではないが、現代の生き方につかれた人がいたら、こう言う生き方もあるという指南書でもあると言えよう。