桃源郷は実は直ぐ側にある?そろそろ会社辞めようかな
満員電車、口うるさい顧客、到底達成できない懲罰のようなノルマ。我々の社会はどうやら中世の奴隷制度に戻ったようだ。
このような事を思い嘆いているのは、おそらく会社員の殆ど当てはまるのではないだろうか?。
「いやあ、オレんとこは、大企業ではないから・・・きっと公務員や大企業なら、こんな思いをしなくていいじゃないだろうか・・・」
と思ったあなたは甘い、電通の過労死事件や官僚の自殺事件を思えば、現代社会にパラダイスは存在しないようだ。
ところが、これが自営業者などのフリーランスに目を向けると、以外や以外幸福度が高いらしい。
ライフハッカーの記事
をあわせて一読すると、会社員というのはホントに奴隷以外何者でもないという事が分かる。
で、ここまでが前置きだ。
今回の「そろそろ会社辞めようかな」(中々目を引くタイトルである)はその題名通り、そろそろ会社を辞めて(奴隷から脱出して、と言い換えても良い)
自由になることによって生きていると感じる事が出来る事を示唆した内容である。
その中で、著者は「独立するのは大変だったが、その大変さの中で確かに生きているという事が実感できた」と書かれている。
唯の癒やし本にならないため
この手の本はそうやって自由に生きたい人が(そして出来ない人だ)夢想するために読む側面が多いであろう。転職雑誌を買うことで自分自身がまるで転職したかのような気分を味わい、再び会社に向かっていくというのはよく聞く話だ。
この本の中で著者はこう述べる。
「実践するために必要なものは、勇気と知識です」
その知識をこの本で模索しながら、勇気は自分自身で身につけていく事を求めていくという事を説く。
結局はやるかやらないか
この手の自己啓発本は、
- 自分の成功談を書く、それを模倣することを推奨する
- メンタル部分を強く推し進める
- 著者の宣伝
- 読むと安心できる、処方箋的役割
このような具合に分かれる。つまるところ、啓発本は全て同じであり、どれだけ自分の立場に一番近いのかがキーポイントになるだけだ。
つまり結局のところ、このような本やセミナーはその場では高揚してしまうが、具体的に目的が無いと、また再びそのような本を買い求め、処方箋の役割しか出来ない事となる。
「俺は成功哲学を学んでいるから」
なんてセリフを吐くやつがいたら要注意だ。そいつはそういった本を読み漁って空想に耽けているだけの輩の可能性がある。
現代風にまとめた啓発本
だいぶ話がそれたが、この本自体は大変読みやすく共感できる部分も多い、著者は「成功」とかでは無く、自由を選択するに至っての情報をシェアしたいとの事でこの本の成り立ちを語るが、まさにそれが現代を象徴しているのではないのであろうか?
現代風の考え方では、利権などの煩わしさは敬遠され(出世とかだ)自分の時間が全てにおいて最優先で、お金やモノは後回しするというものだ。だが、その自由は会社員だと中々それすらも持てず、いわゆる貧乏ヒマなしという状態になってしまう。
だったら、生産性の低い会社員を卒業して、生産性の高く時間が短いものを選ぶ道があるという事をこの本は示唆している。
結局、自分に取ってなにが一番なのかという本質的な問題は、それすら考えるヒマすらなく、周りの請負で、こうしたほうが良いという刷り込みによって虚像として君臨している事が問題で、このような本はそういった洗脳を解く鍵になれば存在理由もあると言うものだ。
そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか 最新改訂版 (メディアワークス文庫)