ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

異世界は果てしなく美しい。スペースハリアー。

 

 

 

その昔、隣町にある駅前に松竹の映画館があり、そこに併設されていた比較的大きなゲームセンターがあった。そこに行くには片道200円の鉄道料金を払うか、自転車で40分かけて移動するしかなかった。

私達は後者を選んだ。

それは200円あれば、アーケードゲームが2回出来る計算になり、少年であった私は時間と労力を対価に、ゲーム2回分をえらんだわけだ。

そこには、所狭しと大型筐体が並んでおり、その中で一際異彩を放っていたのが今回取り上げる「スペースハリアー」である。

スペースハリアーは1985年にセガ・エンタープライゼスがら発売され、現代に至るまで、いろいろなアレンジバージョンが存在する名作ゲームであり、当時としては出色の出来であった。

まず、

①筐体がプレイヤーの操作でダイナミックに動く(ハングオンというレースゲームもあったが、バイクの筐体を傾けるだけであった)

②グラフィックが群を抜いて美しい。(キャラの発色も中間色が多く、独特のグラデーションが美しく、且つ大きかった)

③曲が良い。(アウトランなど作曲した川口氏が担当しており、ドラムのリアルな音や、メロディアスな旋律が世界観にとても合っていた)

 

つまり、いままでピコピコなどと揶揄されていたゲームが(大袈裟に言えば)芸術の域まで達した。そして、ゲームは次のステップに進んだな。と感じさせたゲームであったのだ。

 

内容はオーソドックスな疑似3D で、迫り来る敵機をハリヤー少年を操り、撃ち落とすというもので、面末にはお約束のボスキャラが待ち受けているという構成であった。

 

さて、このスペースハリアーだが、さすがに自宅にこの筐体を置けるわけがないので、3DSで発売されている「3Dスペースハリアー」を取り上げる。

 

セガ復刻プロジェクトのシリーズで出ているこのシリーズは、とにかく「スペースハリアー」していて驚く、「完全移植や・・・」とおっさんは呟くに違いない。

その理由は、

スペハリを家庭でプレイしようと果敢に試みた事はいままで何回かあった。

 

セガマーク3で発売されたスペースハリアーは雑誌のスクショでは、画面のショボいスペハリだったが、実機でのプレイは別物であった。

いや、頑張っているんだ感はあったが、全体的に爽快感がまったくなかった。(むろん当時のハードを考えれば、神移植で有ることは変わらないし、それでも脳内補完で楽しめた)友人の家に通い込んでプレイしたが、結構難しかった思い出がある。

ファミコン版として発売されたバージョンがこれも頑張っているんだけど、キャラが小さく、迫力もなかった(当たり前)ファミコンも末期であったため、話題にものぼらなかった。

PC88版

以外にも、これが私の中でも(プレイした中)スペハリしていたので驚いた覚えがある。これがグラフィックの割り切りという判断をした電波新聞社はすごいと思う。なぜなら、キャラがほぼ単色であり、弾は四角であった。美しかった背景は透明になり、派手な爆発もただのドット。

だが、これはスペハリであった。このソフトを購入する人は、間違いなくスペースハリアーのファンであり、なんと操作性やスピード感、敵の出るタイミング、効果音が同じであれば、実はグラフィックはショボくても脳内変換されて蘇る事を立証した作品であった。

つい熱くなってしまったが、当時のゲーム機やパソコンの能力だと、この脳内変換デバイスはかなり有効で、ゲームはグラフィックより操作性だと改めて感じる。

X68000版

これはずるい版。友人の家にあったAVパソコンX68000はゲームというジャンルでは反則性能であったため、移植度はかなり高いかった。X68000は他にも良質な移植作品が多く、埋もれた感があり、かつ優等生の出来て当たり前感が半端なく、あまり感動しなかった。(僻みともいう)

 で、今回の3DS版ですが、まず移植度はかなり高くほぼそのままな感じ、3DSのショボい画面でも十分迫力あるし、この疑似3Dのゲームは3DSの3D機能と相性がいいと思う、これが500円とは恐れ入るが、5000円だったら買わないだろうなあ。

どうも3DSのキーがあまり相性が良くなくて(私と)最初は戸惑ったが、いやいや面白いよこれ、今やっても十分迫力あります。

思い出脳内デバイスが働かなくても(昔は面白かったという思い込みが、面白くないものを面白くする有機的デバイス、脳内補完とも言う)キレイなグラデーションと美しい音楽に、現代のポリゴンとは別の美しさを感じます、

 

スクリーンショットを載せようかと思ったら、3DS簡単に録画出来ないでやんの・・・。

 

とにかくレトロゲーム好きならお勧め!

f:id:gummy2:20180427121527j:plain

 写真はwikipediaより

 

セガ3D復刻アーカイブス - 3DS