ジャンクな脳と記憶

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神はいつだって不条理 神様ゲーム

 

 

旧約聖書を読み解くと、その神の横暴さに恐怖する事がある。神と言われる存在は平気で、人を殺し、災厄を撒き散らし、文明を滅ぼしてしまう。

そもそも、神は人間ではないのだから、人間の倫理など通用しないのは分からないでもないが、神の横行を見ていると、どうも気難しい年寄りのようなワガママさが垣間見れる。まあ、ユダヤ、キリスト、イスラムのヤハウエだけでなく、ギリシャ神話の神々もけっこう適当な理由で人を殺したりしているので、案外そういうものなのかも知れない。

まあ神様は残酷という前提をしておいて、今回は麻耶雄嵩の傑作ミステリー「神様ゲーム」を紹介する。これは講談社から出ている子供向けミステリーシリーズ「ミステリーランド」ブランドから発行されたが、このシリーズ子供向けとは思えぬ内容で、ほぼ大人が呼んでいるのではないかと勘ぐってしまうほどクオリティが高い。余談だが、同シリーズの島田荘司の「透明人間の納屋」も名作なので、読む機会があったら是非読んでみることをオススメする。

 

で、「神様ゲーム」だが、著者である「麻耶雄嵩」らしい展開で実に面白い。そして謎を残したまま終わるのも実に上手い。(何故罰を与えられたのが、父親ではなく母親だったのかとか)

この物語に出てくる「神様」は同級生である鈴木くんという男の子であり、彼は自分が神であると淡々と述べる。仲が良かった主人公である芳雄が尋ねると何でも教えてくれる、だって彼は神様だから。

神様が教えてくれる情報から、少年探偵団は町内で起きた殺人事件を調査するのだけれど、その事件は自分たちにも降り掛かって来て・・・。

そして怒号のラストまで、予測不可の内容が続き、最後は後味が悪いいつものパターンで膜を閉じる。が、この後味の悪さは実に癖になるのだ。

 

この著者はよくこんな構成を考えつくなあというのが、正直な事であり、ミステリーとしても凡庸ではない楽しさがあるという作品です。

 

続編「さよなら神様」も傑作です。

 

 神様ゲーム (講談社文庫)

さよなら神様 (文春文庫)