ジャンクな脳と記憶

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じっくり楽しむ大人のミステリー 緑衣の女

 

 

 

 アイスランドと聞いても、いまいちピント来ない。多分それが普通だ。北欧ミステリーは、ドイツだったり、スェーデンであったり、デンマークあたりがよく聞くのだが、ところがどっこい、アイスランドである。

 アイスランドが舞台の「緑衣の女」はゾクッとする不気味さと、あまりにリアルな不幸が見事に融合した傑作であり、その馴染みの薄さは土地柄や人物名だけでなく、その主人公の葛藤(娘との確執がこの本のもう一つのテーマだ)がアイスランドという土地の寂しさとあいまって、読書後に「・・怖いな」という静かな感慨をもたらすのではないだろうか?。

 

男の子が住宅建設地で拾ったのは、人間の肋骨の一部だった。レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは、通報を受けて現場に駆けつける。だが、その骨はどう見ても最近埋められたものではなさそうだった。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。サマーハウス関係者のものか。それとも軍の関係か。付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。封印されていた哀しい事件が長いときを経て明らかに。

ーあらすじより

 

この作品、現代と過去の二重構成になっており、過去が明らかになるにつれ、

発見された骨は誰のものなのか?

現場に現れる、緑衣の女は誰なのか?

その女を形容する時「いびつ」とは何なのか?

 

これを追い求めていく際、過去に行われた悲劇が胸を打つのだ。

家族とは何なのか?果てしない暴力の果にあったものは?

 

静かな展開が続くが、派手なハリウッド的な演出はまるで無く、そこにあった筈の悲劇が心をそっと打つ作品です。

 

したがって、展開は地味だが良質なミステリーが好きな人は好きになれるのではないでしょうか?。

 

 

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緑衣の女 (創元推理文庫)