ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

パンデミックは世界の終わり?コンテイジョン。

もし、抗生物質が効かないウイルスが蔓延した場合。さらに発生源が国際都市であるなら、それは未曾有の災害となりうるであろう。

そんなウィルスが猛威を振るい、人々の人間性など脆いものと描画したのが今回紹介する「コンディション」だ。

未知のウィルスが蔓延した世界で、果たして人間は理性を保たれるのか?

映画のキャッチコピーは「恐怖はウィルスより早く感染する」

この言葉でおおよその内容がわかると思うが、極めて致死性の高いウィルスが流行した時、人間は人間のままでいられるか、という主題が込められている。

この映画にかかわらず、この手のパニックをテーマにした作品は多く「ワールド・ウォーZ」や漫画「ドラゴンヘッド」など、色々興味深い描写をされている作品が多い。

だが、今回の作品にも言えるのだが、どれも(ドラマという性格上仕方がないのだが)そういった非常時は人間の本質が「悪」という前提で、数々の略奪や暴力が行われる。

確かに、アメリカなどで、デモが暴力に、暴力が略奪に変わるという(ロサンゼルス暴動のような例はいくつでもある)*1したがって、このようなウィルスが蔓延し、かつワクチンが少量の場合、局地的にはそういった事が起こる可能性があるが、長期的にはまた人は秩序を取り戻すと思われる。

マッドマックスや北斗の拳のような状態は、ならないのでは無いかと(私は)思う。このコンディションも比較的、暴徒のシーンは少なめだが、「恐怖」や「無知」は事態を悪化させる要因になる事を改めて思い知らされた。

渡辺浩弍氏の「ゲームキッズ」シリーズにこんな話がある。

 

みんなが核シェルターを購入しているのに、自分は購入をしない。だが、結果的に戦争が起こり、自分はシェルターを持っていないためにもはや死ぬしかない状態に陥る。

シェルターのセールスマンに泣きつくと、特別料金でシェルターを譲ってくれるという。

だが、渡されてのは一丁の拳銃であった。

 

 

 

このように、法が機能していなければ、他から奪えばいい的な考え方だ。

だが、それは奪った先に何があるのであろうか?

その時助かっても、荒涼とした世界を奪いながら生き抜くのか?それこそ映画マッドマックスのように、そしてその先には何が待っているのか?

 

そして、この映画にはもう一つトピックスがある。

それは、どのような場面でも、金を儲けようとする人間はいるものだ、という事だ。

それ事態は別に悪いこととも思えないが、

人々の「恐怖」を利用し、効果のない薬を流行らせようとするブロガー「アラン」彼は、自ら効果があったとする「レンギョウ」をデマによって高騰させようとする「預言者」もとい人気ブロガーである。

彼の行動が、奇しくも一番可能性があるような気がしたのは、世界がそういった風に投資で出来ている証拠であろう。

 

さて、この映画「マッド・デイモン」がものすごく地味な役で、何故マット・デイモン?と思う方が多いと思いますが、あれはあれで戦わないマッド・デイモンもいいんじゃないでしょか。

皆さん帰ったら手を洗いましょう。

 

 

 

*1:1992年にロサンゼルスで起きた暴動、白人警官の無罪判決により人種差別運動が過激し暴徒と化した。