COWSPIRACY:サステナビリティ。
あなたはここ数日間何を食べたであろうか?
大体の食事に肉が含まれていたのではないだろうか?
いまや、なによりも肉の方が安い時代なのだ。へたに野菜を買うより肉を食べた方が経済的な場合が多いのではないだろうか?
さて、G7伊勢志摩サミットも終わり、なんとなくニュースなので「温室効果ガス」の話題がそれとなく語られていて、「地球温暖化」という問題が関心を得ているとおもうのであるが、その実情を知る人は少ない、そして幾らかの学者が警鐘する食物問題もそれほど話題にはなっていない。
一見なにも関係ないように思えるこの2つの問題は、実は大筋では同じことを語っている。いわば、「温室効果ガス」と「食糧不足問題」は地球環境問題の別の側面を見ているに過ぎないのである。
Netflixで公開しているドキュメンタリー映画「COWSPIRACY」はその事に切り込んだ稀有なドキュメンタリーである。
我々が思うに「温室効果ガス」のイメージは、人間が活動する上で必要な、運輸や発電が原因で過剰になっているイメージだが、実はもっと深刻な「温室効果ガス」を発している物がある。
それが「畜産」である。
えっ畜産って「酪農」の事?
その通りである。食肉や乳牛などを供給している産業である。
実はこれが、大きな問題を孕んでいるのだ。
具体的に言うと、
「温室効果ガス」の運輸での比率は13%
家畜等が発する「ガス」は15%
全世界の「温室効果ガス」の実に50%は家畜とその関係からのものである。
中でも牛は一頭あたりの土地が広大で、その飼料も膨大である。全世界の作物の半分は家畜用の餌を栽培しているという、これを人間が食べれば計算上は飢えはなくなるのである。
また、排出物が半端無く多く、人間の130倍であり、それは数々の汚染を呼び「温室効果ガス」の原因にもなっている。
つまるところ、家畜のウ◯コやゲップが地球を脅かすところまで来ているのだ。
そして、全人類が今の日本やアメリカ並みに肉食を行えば、ありとあらゆる場所を牧場にしなければ成り立たないと言う。
現実に南米のアマゾンの消失の90%は家畜の為に開墾したためだという。
これだけの被害?が行われていて、大体的に報じられていないのはそれは政治的な理由だという。畜産関係者のロビイストは、政治にもかなり介入できる言わばスポンサーであり、その力は政治やメディアを覆し、自然保護団体も見て見ぬふりという。(あのグリーンピースですら、だ)
前回のアーロン・シュワルツの回でも書いたが、ある特定の特権階級の人たちの意向に逆らうと、不当に逮捕されたり、職を追われたり、最悪の場合命を落とすというのは、ものすごく理不尽であり、恐ろしい事である。
このCOWSPRACYもスポンサーが降りてしまったり、同じことを告発して投獄された人が注意勧告した場面があったが、マイナーながらも我々の目の届くところまで公開された事が良かったと思う。
そして真実ではなく、誰かの意向通りに話が進むというのは、ダン・ブラウン*1の小説より、恐ろしい話である。
この環境問題については、いずれまた取り上げたいと思っています。
*1:ダ・ヴィンチ・コードの作者