ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

インターネットの申し子。アーロン・シュワルツの軌跡。

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アーロン・シュワルツ

 

 

 

ネットフィリックスで公開されている、ドキュメンタリー、アーロン・シュワルツに関する番組が中々興味深いのでここに書くことにする。

 

まず、アーロンシュワルツについてだが、彼はもはや故人だ。2013年1月11日に自ら命を断ってその生涯を終えた。享年26歳であった。

まず、彼の肩書と言えば、インターネット活動家と書かれているが、それは彼を有名にして、やがて死に至らしめた事件が、そうさせている。

彼自身は政治家を目指していたが、それが叶う事は無かった。

 

彼が逮捕され、多額の賠償金を請求された背景には、大きく乱暴に言うと、

「自由の為の戦い」と言えた。

彼は学術論文を有料で公開しているサイトにハッキングして、そのデータをダウンドードした事が発端で、犯罪者のレッテルをはられる事になるが、その動機は極めて「インターネット」的な思想に基いて行われている。

インターネットの父をと言われるWWWを開発したティム・バーナーズ・リーはその技術を無償で公開し、知識の共有を促した。ウェブの無償性はここから発端としている。

つまり、アーロンもその思想に則り、知識のオープンソース化を進めたに過ぎない、あらゆる人々の叡智を広げる事で、数々の難題がクリアできるかも知れない、それは人類が次のステップに進むための必要なものと考えたに違いない。

 

だが、いつの世界でも、強欲なものが世界を変えることを許さない。

 

アーロンは捕らえられ、あたかも悪徳なハッカーのような扱いを受けた。彼が受けた懲罰は明らかに、今回の事件の範疇を逸脱したものであった。

 

彼は多額の保釈金を払い、釈放されるが、次に訪れる活動が彼を更に窮地に陥れることになる。

 

彼はオンライン海賊行為防止法に対して、過剰な規制があることを危惧して、活動を行う。結果、その法案を潰すことが出来てしまう。

しかし、彼の起訴はとどまる事を知らず、その刑期や罰金がどんどん増える事となった。

これは、判事や政治家のメンツを潰された腹いせや、不利益を被る企業の仕業に違いないと思えるような内容であった。

 

彼は失意の元、自宅アパートで首を括る事となる。

 

日本でもウェブに対する規制や、ドローンの規制、すんなりと受け入れられない法案が結局通ってしまっている現実がある。(「残業0法案」もそうとうヤバイ法案だ)

結果、人類に富を齎す人材を失ってしまうなんて、なんて愚かな事であろう。

TVも目の前の人も決して本音を言わない世界で、ウェブがその孤高性を果たして守り続けられるのであろうか?

インターネットの申し子。アーロン・シュワルツの軌跡はそんな事を思わせる重い内容でした。