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自分が変われば世界が変わる。禅、シンプル生活のススメ。

 

 

三笠書房から出ている「禅、シンプルな生活のススメ」は、現代の息の詰まるこの世界から、少しでも緩和出来る方法を禅の考えを通して、考えて見るという内容だ。

 

著者である枡野俊明さんは、曹洞宗の住職であり、多摩美術大学のデザイン学科の教授でもあり、ニューズウィーク日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」にも選出されている、庭園デザイナーでもあり、その著作も多い。

そんな禅の思想のプロフェッショナルが書く、日常生活に活かせる禅の考えをどのような方法で昇華していくのであろうか、まず前置きにて、

 

シンプルに考える癖をつけると、悩みがすっと消える。

シンプルな習慣を身に付ければ、生きるのはずっとラクになる。

生きにくい世の中だからこそ、「禅」が生きるヒントを与えてくれそうです。

 

 本書まえがきより

 

 

本書は禅の考えで日常を変えていくための本であり、本格的に禅を読み解く類のものではなく、各文節は短くまとめられており、実際自分にあっている部分を読むという事が出来るようになっています。

その中で、繰り返し書かれているのは「シンプル」に生きる事で、自分を取り巻く複雑な環境を緩和出来る事が書かれています。

 

些細な習慣が、雑多な人生に余裕をもたらす事になるようです。筆者は、脱いだ靴を整えたり、いらないものを捨てる事で、余計な執着や雑念をなくす事ができる事を説きます。

 

確かに、どんな啓発書でも、自分の身の回りを片付けたり、余計なものを捨てる事を推奨する事が多いと思います。

この書では、字を丁寧に書いたり、ゆっくりお茶を淹れたり、食事を疎かにしない事で忙殺された日常を見直す事を提案しています。

 

この本を読み進めて行くと、人として当たり前と思うことにふと出会う事があるが、「人のせいにしない」とか「人と比べない」「自分に無いものを求めない」などである。

我々の世界は、「人と比べる」事で何かの尺度を図ったり、手に入らない物を渇望して、余計苦しんだりしている事がよく分かるのである。

 

見栄を張ったり、やりたくないものを無理やりやっていたり、いたずらに不安に囚われ、誤った道に進んだり、本当は要らないものを買い込んだり、実はもっとシンプルに考えれば、そんな辛い選択をする必要はないという事に気づく、そしてそれがなされていない現実に戦慄する。そりゃ苦しいワケである。人間として真逆な事をしているのだから、辛いに決まっている。

「仏教」とはそもそもこの過酷な世の中を乗り切るための教えであったという。原始仏教にはそのコンセプトが色濃くでているし、その中の禅の教えは「内面」に目を向けた教えと言えるだろう。

超訳で言えば「世界を変えるには、自分自身を変える事で可能になる」という事なのではないだろうか?

 

この幾つかの生きるヒントを読みながら、古来から伝わる人間としての「善」が結局のところ自分自身を救う事になるのではないだろうか?

「心を伝え」「人に尽くし」「自分を大切にする」そして「人を喜ばせる」事によって人は「今を生きる」事ができるのでしょう。小手先だけのテクニックで人や自分を騙すのは、結局自分を貶めるだけなのでしょう。

 

今、自分のところにある物。それを大切に思う気持ちを持つことです。

その物が自分のところにあるという事は、きっと縁があってのこと。それを大切に扱い、自分にとっては最高の物という思いを持つことです。

 

本書 物との縁を大切にするより

 

物や金では、中々満たされる事はないということなのでしょう。