信念には真実が宿る。ジェーン・エア
あらすじ
幼少の頃、両親を失ったジェーンは祖母の元に預けられた。その祖母と折り合いが合わず、寄宿学校に入れられてしまう。
やがて大人になったジェーンは、ソーンフィールド家に家庭教師として雇われる事になる。
ソーンフィールド家の当主ロチェスターと心が通じあい、やがて求婚されるが、ロチェスターには重大な秘密が隠されていた。
今回はイギリス文学の名著「ジェイン・エア」を映画化した「ジェーン・エア」についいて語る。まだ見てない人のために、その人物背景とあらすじと個人的な感想を記載したいと思う。
まず、時代背景は19世紀のイギリスで、ビクトリア王朝の時代でした。その頃のイギリスは産業革命がおき、世界中に植民地をもっていました。世界中の知識を得る機会が増え、人々の教育レベルも高まっていた時代でした。
女性の立場は未だ弱いままでしたが、女性の立場がややあがりかけていた激動の時代とも言えるでしょう。
そんな時代背景の元「イギリスの田舎」を舞台に「自由人としてその時代とは相容れない恋愛を貫いた女性の物語」と言えるのが本作です。
両親を病気で無くしたジェーンは、叔母のリード夫人に預けられるが、そこで待っていたのは愛されない環境であった。疎まれたジェーンは結局寄宿学校に入れられてしまう。
寄宿学校での生活はジェーンには辛いものであり、そこで出会えた親友のヘレンも劣悪な環境で亡くなってしまう。
やがて成長したジェーンはソーンフィールド邸にて家庭教師の職を得る。教えるのはフランス育ちの少女アデルである。ソーンフィールド邸は当主ロチェスターが不在で、ジェーンは外で運命的な出会いをロチェスターとする事になる。
ロチェスターはジェーンの芯の通った物言いに感銘し、やがて二人は強く惹かれるようになる。
だが、二人の立場は使用人とその雇い主、時代背景を考えても二人が結ばれる事は考えにくかった時代である。ロチェスターは別にイングラム嬢という貴族の婚約者がおり、ふたりが結婚するのは誰の目からも見ても明らかであった。
そんな中、ソーンフィールド邸では、不可解な事件が起きる。ロチェスターの部屋から出火があり、危うくロチェスターが焼死しそうになるのであった。
他にも何かの声が聞こえたり、物音がする事もあった。
やがて、イングラム家がソーンフィールド邸に泊まりに来て、いよいよロチェスターとイングラムが結婚するかと思われた日、ジャマイカから謎の男「リチャード」が現れる。そのリチャードは夜中に何者かに刃物で襲われ、大怪我をおってしまい、そのまま翌朝には強制的に帰されてしまう。
そんな物騒な事件の後、正式にロチェスターはジェーンに婚姻を申し込み、ジェーンはそれを受ける事になるのだが、結婚式の当日・・・。
この「ジェーン・エア」はいわゆる恋愛ドラマであるので、一部の人には相容れない映画であるかもしれないが、この恋愛ドラマという枠では収まりきれない名場面が幾つもあるのが特徴である。
主人公のジェーンは、この時代背景を踏まえてかなり強い女性である。強いというのは自分が何者かという事を正しく理解し、不当に貶める色々な障害にも毅然に立ち向かう姿が、実にカッコいい。それでいて謙虚さと女性らしさがあるのだから、この映画を見ながら、
「ジェーンさん・・・好き♥」となってしまった視聴者もいるのではないだろうか。
また、ジェーンをはじめとする役者の衣装やセットの作りも素晴らしく、イギリスの田舎の寒々とした大地が美しく映しだされているのもこの映画の醍醐味である。
フェミニストであれば、「コレぐらいが丁度いい!」と思うかも知れないが、奥ゆかしさの中にある、熱い心というのはいつだって人の心を打つものなのだ。
amazonプライム会員なら無料で見れるので、イギリス文化が好きで、恋愛物が好きで、気高くなれる気分を味わいたいなら、是非視聴してみてください。