ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

子どもたちはいつも冒険に。Mother2~ギーグの逆襲。

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近所の原っぱや、廃屋のある不気味な池。そんなのが大冒険の始まりであった。的な書出しの少年系の漫画や小説はよくある事であるが、少年には少年だけ見える風景がある事をその当時少年だった人は思い出してほしい。

そのキラキラした躍動感あふれる風景こそ、今回紹介する「Mother2」なのである。

 

学校の先生をホブゴブリン(大きい鬼、小さい鬼の事をゴブリンと呼ぶ。ちょっとだけ強い)と仮定して、見つからないように何かを行うような事をした事があるようなら、このスーパーファミコンソフト「Mother2」はきっと気に入るであろう。

この「Mother2」は少年たちが、学校帰りに行う冒険(とよんでいる遊び)を具現化したものと言えばわかりやすいであろう。

少年少女がある日、平凡な日常から逸脱し、大冒険に出て、結果世界を救う。そこは親が介入できない子供だけの世界で起きていて、悪いやつはトコトン悪く(それでいて、人は殺めない)自分たちは無敵なのだ。

 

この「Mother2」もギーグの野望を防ぐという大義名分があるが、ただ目の前に冒険が広がっているという表現のほうがしっくり来る。

 

子供の目に写るものは、ただの階段がダンジョンであったり、怖い隣のおじさんが悪魔の使いであったり、団地脇の林が秘密基地になったりするのだ。

こういったノルスタジックな感情をただのおっさんの戯れ事と思う方もいると思うが、誰でも形は違えど、同じような体験をするものだと思う。

そう、若い人は常にその前の世代に疎まれるのだが、それは常に起きていることであり、おっさんが若いころもやはり同じように、その前の時代の人間に「何を考えているか分からん」的な事を言われていたのだ。

 

このような事をうまく作品にしたのが、漫画なら「20世紀少年」で、ゲームならこの「Mother2」なのではないだろうか?