ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

先人の知恵は普遍か?

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中国の歴史に「老子」がいる。どうやら「老子」は名前ではなく、その哲学者という意味合いであったらしい。

老子の書を紐解くと「タオ」という自然崇拝の意味が多く出てくる。自然の流れにおいては、人間もその一部逆らうことは苦しくなる事という意味を残している。

仏教の「空」ともとれるその思想は現代の殺伐とした時代にも幾らかの光を与えているというのは、「老子」を読んだ方ならなんとなく思うことであろう。

そんな偉人でなくとも、先人の言葉は聞いたほうが良いと言うのは本当だろうか?中には無駄に生きていただけの愚か者が言っているだけかも知れない。

 

例えば、あなたがこれから進む事で迷っている時に、それに対して期待通りのアドバイスを得ることが出来るのか?という事だが、それ自体に答えがあるわけでは無いのでそれが正しいかどうかは分かる訳がないであろう。

 

具体的に言えば、君がその荒唐無稽とも言える事に本気で打ち込む方向を示した時、ある人は「それはやってみる価値はある、やって見たほうが良い」と言うだろうし、ある人は「そんなの出来っこない、ちゃんと足元を見て進んだほうが良い」というだろう。

 

それ自体がどちらも間違えではないであろう。前者はその好きなことを行うことが「人生の幸福」と捉えていて、そこに経済的な困窮があろうとも、好きなことが出来れば、それが人生の目的であるという考え方なのだ。

後者は経済的に恵まれなければ、それは人生の成功とはいえない事を言っているのだ。好きなことで成功するのはどれほど大変か、そして経済的に貧しい者は、心も貧しくなっていく、だから安定したものを選べと諭しているのだ。

 

二人の人間が片方は、無限に広がる空を見つめて、もう一人はヒビ割れた地面を眺める。そのように人は考え方で幾つもの側面を持っているのだ。

 

だが、そういった先人の正しさは時折、残酷に人の心をダメにしてしまう。

それは人間が自分の経験の元でしか、その正しさを判断できないからだ。

また、その優しさで(おせっかいとも言う)あなたが向かうべき場所への憧憬を否定する事もあるだろう。

 

だから、あなたは、その自分の向かうべき道がわかったなら、出来るだけその事は言わない方が良い、一旦口にすると先人達の豊かな助言が災いになるのかも知れないから。