ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

邪なのか聖なのか?邪聖剣ネクロマンサー

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夜一人ではやらないでください。という印象的なキャッチコピーであったが、ホラーRPGというジャンルをゲームバランスの悪さのため、確立出来なかった作品である。

悪であり善。闇であり光、表裏一体のものは以外に多い。そもそも、悪とか善とかはその性質の一側面であり、大体の事は一辺倒に片付ける事など出来ない。

北斗の拳の悪党は、心の底から悪党であるが、アウシュビッツの刑務官は、ユダヤ人には熾烈な刑罰を与えながらも、自宅では良き父親であったし、TVで中継された極悪人の近親者は判で押したように、「彼はそんな事をするような人ではない」的なコメントをしている。

だが、我々はある程度のカテゴリーに分けて行かないと、そもそも説明が付けようがないのだ。いちいち他人の心の全てを総合的に判断して、コメントする事は不可能であるし、「彼はババアには厳しくあたる事もあるけど、飼っている猫や鳥などにはとても優しく、高校の時は祖母の事を心配して手を握りながら添い寝してあげて....」

みたいな事はめんどくさいし、誰も求めていない。

一括りで、彼は「素行が悪い人」とかで片付けた方が分りやすいのだ。

 

しかし、人は全て闇と光を持っている物で、言葉的には矛盾しているとしても、それは正解なのである。

アンパンマンが正義のシンボルであり、ばいきんまんが悪の比喩であるとしても、アンパンマンは決してばいきんまんを殺したりしない。ばいきんまんにしても本気でアンパンマンを亡き者にしようとしてはいないであろう(その技術力からすれば、アンパンマンやその眷属を根絶やしにする事は容易い筈である)

 

それは、互いに相手が居なければ、存在理由が無くなるからに他ならない。また、彼らはある意味一心同体であり、片方無くしては生きながらえる事は不可能なのであろう。

そんなアンパンマンの暗渠とした宿命は、まるで邪聖剣ネクロマンサーである。

邪聖剣という言葉的に破綻したタイトルにネクロマンサーである。ネクロマンサーとは死者を操る魔術師の事を指し、それが剣の名前でありタイトルなので一見意味が分らないが、

これは、仏教で言う森羅万象の事を指すに違いない。

この宇宙に存在する物は、すべて善と悪の表裏一体で、ネクロマンサーという意味不明な全てであるという事なのであろう。