教育ソフトの光と影
同社のポパイと同じ面構成を持っているが、ゲームは全くの別物。これで英語が覚えられたらすごい。
今回はポパイの英語遊びを取り上げて見たいと思う。このソフト所謂教育ソフトという立場であり、ゲームが勉強にも役立ちまっせ!という思想が含まれている。(多分)
丁度このポパイの英語遊びが発売されたのが、1983年の前半なので、ファミコンがデビューして間もない頃であった。そのころのラインナップはドンキーコングやマリオブラザーズ、麻雀などのタイトルで、まさにファミリーで楽しめるようなタイトルが揃って居たことになる。
ところが、いつの時代もPTAの方々は自分で考えるのを辞めてしまっているらしく、ファミコンが及ぼす悪影響などを本気で考えていたようである。(これは時代が変わっても物を替えて存在している)特に何かを破壊してスコアを稼ぐようなゲームには眉を潜めていたフシがある。
学校では勿論の事、家でもファミコン禁止なご家庭があったことであろう。
確かに、子供の素晴らしい集中力をファミコンという遊びに全て費やすことが、果たしてその子の為になるかどうかは分からないが、ファミコンのゲームが攻撃的な性格を作り上げると本気で信じていたのなら、教育者としてどうかしていると思う。
ちなみに、ファミコンは鬼のように時間を消費してしまうため、そう言った意味では子供に悪影響の可能性がある。いや、多分そうなのであろう、いまの自分を見ているとそういう気がとてもする。生まれかわったらゲームはやらないようにしよう。
かのアップルの創業者である、スティーブン・ジョブスは、iPhoneを創りだし、世の子どもたちをスマホ中毒にさせながらも、自分の子供達には決して触らせなかったというのは有名な話だ。つまり、ハマる可能性のあるものはどれも子供には悪影響と言える。だから、あながちお母様たちが、ファミコンを目の敵にするのも間違っているわけではないのだ。
だが、それで困ったのは任天堂の社員たちであろう。折角、ファミコンがブームの兆しを見せた時に水を差された形になったのだから。
「おい、なんか子供に悪影響だから買わないという家庭が出てきたらしいぞ」
「そいつは困るな、これからソフトをどんどん出すつもりなのに」
「なんとか、PTAを黙らせる方法はないのか?」
「そうだなあ、じゃあ勉強を題材にすればいいんじゃないか」
こんな感じでポパイの英語遊びは企画されたに違いない(多分)これなら、ファミコンを買って貰うとき「勉強になるから」という詭弁がまかり通ると思ったのであろうか。
このシリーズでドンキーコングJrの算数あそびというタイトルも出たが、結局それきりであった。つまるところゲームとしてはイマイチであったからだ。
そもそも、「勉強になる」とか、子供の発育に寄与とか言っている遊びはどれも面白かった試しがない、「ゲーム」と「勉強」という対局にあるものを融合することに先ず無理があったという事であろう。
なんの因果が、ファミコンはその後、株トレーダーになったり、編み物を作る機械になったり、トレーニング機器になったりしたが、どれも流行ることはなかった。
それはゲームは役に立たないという事を証明した事になるであろう。
だが、趣味なんてものが役に立つわけがない事を、大人は知っていたはずなんだけどね。
オリーブが問題を投げかけ、その伏せ字をパンチしていく、間違えるとブルーとがパンチボールを進ませる。シンプルな構成だ。
意外とマイナーな問題が多く、覚えても試験に全く出そうにない、これはPTAに対する任天堂のなんらかのメッセージなのであろうか。