忍者はニンニン。忍者くん阿修羅ノ章
ド派手なタイトル。だが、その世界観にはあっているが、いまいちストーリーが分からない。阿修羅の章と書かれているが、当然大日如来の章とか薬師寺の章とかは無い。
忍者くんは、赤色の忍者装飾を身にまとった忍びの者であり、そのアクション性で話題となったアーケード版の移植ファミコン作品である。
発売日が1988年となっているのでファミコン後期作品らしく、比較的完成度が高い。グラフィックもアーケード版に似せようとしているところが好感が持てる。
さて、忍者くんというタイトルが、〇〇くんというお約束のタイトル名な事に注目したい。これは、よく雑誌の巻末に付いている広告とうに記載される事が多い。
この「できるくん」を使えば、必ず成績は上ががります。少ない努力で最大限の効果を!
のような教材のキャッチコピーや、
「秘密くん」はビデオテープのモザイク部分を消し去る効果があります!試して見てください!。
このような怪しいながらも、本当ならすごいとか思ったりした諸兄も多いのではないか。
つまり機能+くんの組み合わせはうさんくさいが、本当ならすごいと思わせる何かがあるらしい。
懐中電灯を「ひかるくん」
ランニンググッツを「走るくん」
家庭用洗剤を「落ちるくん」
パンを「小麦くん」
米を「炭水化物くん」
おお、すごい効果だ。因みに昔、パソコンソフトをコピーする機械が堂々と売っていたが、その名前は「コピルマン」だったが、どうでもいい事である。
とりあえず、〇〇くんは使える奴という事で、是非ソニーはプレイステーションの新型は「プレイくん」で出して欲しい。ローンチはもちろん「忍者くん」だ。
話が逸脱した。
さて、我らが忍者くんは非常に細かいアクションが特徴である。画面の一番下で十字キーの下を押せば、匍匐前進をし、落下の途中は足をバタバタとはためかせ、Bボタンを押すと回転する。タイミングよくBボタン押せば壁を蹴り上げる三角飛びをする。ファミコンにしては中々やるじゃない、と思わず足を叩きたくなる心境になる。
「これは、ファミコンの能力をかなり出しきっているね、さすがアーケード版の版元が作っているだけあるね」
と通ぶったセリフを友人が吐くのも最もである、前回の怒とは別物である。
そんな忍者くんは、的に触れてもアウトにはならない設計だが、敵の放つ弾が結構早く、大型のキャラも動きが早くて結構苦戦する。
また、色々な武器を取得していくのだが、結局爆弾意外あまり使わないのも、バランス的にどうかと思うところもある。ステージ構成が中だるみしてしまう長さであるのもマイナスポイントだ。
だが、だからといって忍者くんがつまらないわけではなく、むしろやり甲斐があるとも言える。アーケード版に憧れた少年たちはファミコンのちょっとイケてないグラフィックが自動的に補正され、アーケードと遜色ないレベルまでに見えていたことであろう。
多彩なアクションが売りのこのソフト。この最初の難関が三角飛び、壁をよじ登ってもいいが、ここは華麗に三角跳びしたい。
なんとなく、師匠ぽい人に武器を賜るところ、バックグラウンドには壮大なストーリーがあるのかもしれないが、当時のゲームらしき説明は一切なし。