ジャンクな脳と記憶

本を通じて人生の幸福を考えています。

サスペンス

映画批評「ザ・ハント」

今回は「ザ・ハント」を見ました。 この映画、知っている人が誰も出ていない、いわゆる低予算映画なんですが、不思議な魅力を持っていて、よくある題材の映画なんですが、 おもいきり予測不可能な点ではなかなか面白いと思います。 途中で、ああもう時間の無…

search 現代の操作は椅子の上で

映画「SEARCH」を見た。 いきなり結論を述べると、大変面白いミステリーであった。 ・・・・ ・・・・ ・・・・ いや、ミステリーを語るのは非常に難しい。 これから視聴する人の事を考えたら、内容は話せないし、かと言って何も書かなければ、レビュ…

野生の遠吠えは原始の音色  柴田哲孝「WOLF」

日本オオカミが絶滅して100年強、動物園で見たオオカミはデカいシベリアンハスキーのような風貌であったが、その顔つきは明らかに人間に媚びない荘厳さを兼ね合わせていた。 つまるところ、完全に自然の体をしており、その迫力は飼育されていても変わらない…

男はつらいよ「隻眼の少女」

男というのは辛いである。もちろん女性も辛いだろうが、男たるもの幼少期を過ぎるとどうしてあんなにもしょうもなくなってしまうのであろう。 思うに男性は中学生を境目に子供っぽさが抜けず、見た目がどんどん劣化して、愚痴っぽくなり、それでいて若い女が…

そもそも全能の神は全能が故に存在しない。さよなら神様

以前紹介した。麻耶雄嵩の「神様ゲーム」の続編で、鈴木太郎こと「神様」が犯人を提示して、それを逆説的に思考していくスタイルであり、前回が一つのストーリーを追うに対して、今回は5篇のオムニバス方式を取っている。 今回も強烈な摩耶節は健在で、最後…

神はいつだって不条理 神様ゲーム

旧約聖書を読み解くと、その神の横暴さに恐怖する事がある。神と言われる存在は平気で、人を殺し、災厄を撒き散らし、文明を滅ぼしてしまう。 そもそも、神は人間ではないのだから、人間の倫理など通用しないのは分からないでもないが、神の横行を見ていると…

じっくり楽しむ大人のミステリー 緑衣の女

アイスランドと聞いても、いまいちピント来ない。多分それが普通だ。北欧ミステリーは、ドイツだったり、スェーデンであったり、デンマークあたりがよく聞くのだが、ところがどっこい、アイスランドである。 アイスランドが舞台の「緑衣の女」はゾクッとする…

遠い記憶。罪の声。

子供の頃起きた重大事件が、これほどのものというのを知らなかった、というのは今回紹介する塩田武士の小説「罪の声」だ。 ノンフィクションかと思える程の描写が題材にするのは、1984年に起きた誘拐、脅迫事件であり、さらに未解決事件でもある。日本ではあ…

老人が元気な世相。黄昏に眠る秋。

20年前に起きた幼児行方不明事件。スェーデンの避暑地であるエーランド島を舞台に、引退した船長「イェルロフ」、居なくなった子供「イェンス」はイェロフの孫である。イェンスは海に落ちて死んだ事となっていたが、イェロフはそれを信じてはいなかった。…

記憶は巧みに嘘をつく、記憶探偵と鍵の掛かった少女。

我々の脳みそは実によく出来ていて、自分の精神が破綻しないようにうまいこと書き換えを行っていることは知られている。それが、過去がいつでもいい思い出に包まれている事からも明らかだ。同時に強烈な出来事が起こると、いつまでもフラッシュバックのよう…

バラバラになったピースはやがて一つに、夏を殺す少女。 

あらすじ ウィーンの弁護士エヴァリーンは、マンホールで溺死した小児科医ルドルフの事件を調査していた。 また、ライプツィヒの刑事警察のヴァルターは、病院で不審死したナターシャの事件を調べていた。 一見関係ない事件に見えるが、その影に現れる謎の少…

超常現象の金字塔は健在か?Xファイル

口笛のようなシンセのモチーフが特徴的なテーマソング、90年台の流行でもあったオカルトブームの火付け役として誰もが一回は視聴したことがあるだろうXファイル。FBI捜査官のモルダーとスカリーのコンビが毎回奇妙な事件に巻き込まれながら、その真実を追…

幽霊は真実の夢を見るか?ゴーストライター

映画「ゴーストライター」を見た。 中々スリリングな内容で、サスペンスとしてもとても面白かった。 主人公であるゴーストライターが元英国首相の自伝を書くために、元英国首相アダム・ラングの住むアメリカの孤島に向かう・・。 だが、その自伝を書く筈だっ…

最高のサスペンス!キリング。

リメイク版のキリング20日の感想。一つの事件を丁寧に描く傑作ドラマなんです。

世紀末やサバイバルはいかが?ステーションイレブン

「グルジア風邪」が流行し、人類の99%が死滅した世界「シェイクスピアのリア王」演劇中に起きた、その悲劇はそこの舞台にいた人々を奇妙な繋がりで繋いでいく 小学館から発刊されている「ステーションイレブン」は所謂、世紀末ものとしてジャンル分けされる…

男は黙ってハードボイルド ピルグリム三部作。

意味不明なカバーデザイン。ちなみに2巻3巻も同じテイストだ。もう少し何とかならなかったのであろうか。 早川書房から発行している「ピルグリム」は、テロリストと戦う元アメリカ諜報機関の男、コードネーム「ピルグリム」の物語だ。 こう書くといかにもア…